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2014 年間ランキング 第2位

苫原和守サンご一家

苫原和守サンご一家

スムージングを効かせた濃紺のボディの艶かしさ。ファットなフェンダーに収まるBBSのスタンスのキレ感。何よりもポルシェのダッシュボードを移植して、ひとつの時代観を宿したキャビンを構築するアイディアの大胆さと、それを支える仕上がりが圧巻。シンプルで潔ささえ感じる四半世紀前のGTIボディは、前後にビッグバンパーが与えられ、マーカーやウインカー類、モール、リアワイパーなどは丁寧にスムージングが施されて、特徴的な濃紺のボディカラー(ゴルフ5のブルーグラファイトパールにブラックを調合した特色)に塗り替えられている。コンパクトで呆気にとられるほどシンプル。それなのに初見からガツンとくるオーラがある。いかにもチューナーズブランドのハシリ、80年代のGTIの美学を彷彿とさせる。
何セットものBBSから厳選してカスタムされたリムが収まるフェンダーは、流行のビス留めではなく、初代ゴルフにも通じるちょっといかついカーブを描く。クロスラインの入ったクリアカットのヘッドライトや、ワイドオーバル形状でギュンと跳ね上げられたエクゾーストエンド、ワンアームワイパー(しかもメッキな仕上がりが泣かせる)は、あの頃のお約束のアクセント。一方でマークレスグリルに入ったレッドラインは、サイドまで回り込むことで、延長されてバッドフェイス風になったグリルスポイラーと合わせて、オリジナルな風貌を見せている。“飽くなきこだわり”と“ひとつの生きざま”を表現した圧倒的な存在感だ。

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