東京オートサロンの会場を震撼させた
ガワと中身のギャップで魅了する1台
まずは外装を詳しく見ることにしよう。以前の仕様はエアロのニコイチでアグレッシブに振りつつ、カスタムペイントで女性らしい一面も覗かせていた。今回はモータースポーツに目を向け、DTM(ドイツツーリングカー選手権)に参戦するマシンを彷彿とさせる、マッシブなフォルムで個性をアピールする。
「DTMのマシンは、スポーティなのに重厚感がある。そのDTMの魅力を取り入れながら、日本のVIPらしいテイストも加えました」。
もちろんDTMの雰囲気を、そのまま再現しようとは思わない。何度も自分で絵を描き、ラインひとつから違いを出すことにこだわった。
「誰かの真似はしたくないし、逆に誰も真似できない自分だけのクルマを作りたかったんです。イラストを元に、理解のある板金屋サンの手で私の理想をカタチにして頂きました」。
そのDTMを参考にした自慢のポイントが、ワークスのようにボコっと膨らむフェンダー。しかし良く見ると、DTMマシンのそれとは造形が明らかに違う。ウインドウ下から張り出すブリスターを足してワイド感を強め、リアのドアにはアールを効かせた立体的なダクトも追加。
「ドアのダクトは何回も絵を描き直しただけあり、他と被らない私だけのデザインだと思っています」。
「筋骨隆々」という言葉が似合うボンネットダクトも、DTM参戦車に感化されて自らデザイン。厚みを付け、重厚感と逞しさを表した。