高い精度で組み上げられ生まれ変わった名機
「元祖TC24を発売したとき、その出力に耐えられるクラッチやLSDは存在しませんでした。エンジンを発売した責任からそれに耐えられる駆動系パーツの開発も行いました。それが現在のOS技研の礎となったのは確かです」と語るのはOS技研の岡崎正治会長。
当時は現在のような充実の設備はなく、岡崎会長独自の理論に基づく図面を元に、技術者が勘とテクニックで試行錯誤を重ねて出来上がったものだ。現在のレベルからみると精度は劣るが、基本的なポテンシャルは高く、実力は計り知れない。
「当時L28(エンジン)をベースに選んだのは強化部品が多く、耐久性の面で優れていたからです。復刻版もL28ブロックベースは変わりませんが、RB26のエンジンパーツ開発で培った技術を生かし、ピストン/クランク/コンロッド・ブロックのよじれ止めの補強プレートなどは自社製としています。各パーツには窒化処理が施され、これによって、信頼耐久性は大幅に向上しています」
多くのパーツはコンピュータシミュレーションを使って最適な形状を導きだしているが、カムのプロフィールだけは今でも岡崎会長が自身で鋳物を削り決めている。新しいTC24のカムのリフト量は330度とかなり大きく、これが高回転まで突き抜けるフィーリングの肝になる。
TC24の開発にアドバイザーとして参画する兵庫県姫路市の『プロショップナカガワ』の中川英明代表は、「現在は開発もほぼ終了し、あとはセッティングを施すだけの段階にきました。新世代のTC24なのでインジェクションで仕上げています。ずっとL型ばかりいじってきましたが、同じNAのフルチューンと比較してもパワーは軽く50㎰以上違います。高回転の伸びはもちろん、燃焼効率も良く、レスポンスも鋭い。熱くなるものがありますね」と語る。