トヨタ86より重いGT-Rでよりわかる進化の度合い
マシンはトヨタ86のまま、今度はRE-71Rに履き替え走り出す。ピットロードを進む時点で、既にステアリング越しに感じる接地感が頼もしい。冷えた状態での1コーナーは、タイヤが路面を柔らかく粘り着くように捉えてくれる。ステア操作と同時にノーズが向きを変える。必要最小限の舵角で旋回が可能なため、コーナリングスピードも速い。RE-11Aが空転した各コーナーの立ち上がりが嘘のようにグリップする。
車両の特性をタイヤの性能がカバーしているということだ。結果的には筑波サーキット・コース2000のラップタイムがタイヤを替えただけで1.5秒も短縮できた。これは事件だ。
では、スカイラインGT-Rではどうだろうか。テストカーは、『マインズ』のBNR34型スカイラインGT-R。実はRE-71R開発車両であり、マインズチューニングが施されている。
結論から先に言ってしまうと、RE-71Rを装着することの恩恵は、軽量なトヨタ86よりもむしろ重量級のスカイラインGT-Rのほうが違いをより明確に感じられた。
例えばGT-Rで旋回途中からフルスロットルにしても、RE-71Rは旋回加速でリヤにタイヤの捻れを僅かに感じながら、路面を柔らかく捉えて接地変化を起こさない。
同様にコーナーへの進入も舵角に応じてフロントが捩れるように応答しながらインを向く。各コーナーの進入でブレーキを残しながらステアリングを切る。すると、フロントにかかった荷重が舵角に忠実に反応。曲がるから必要以上に舵角を与えることがなくなり、結果的に旋回速度が速くなる。