アフターパーツが装着されることを前提にデザイン
最も重要なのが「スポーツ」という軸だ。言い換えればアドバンらしさであり、絶対にぶれてはいけない部分である。
アフター市場のホイールは、いわば趣味の領域のビジネス。全方位で展開していたらブランドイメージがボヤけてしまう。だからこそ、ある意味尖った部分が必要だ。その証拠に、アドバン・レーシング・シリーズのカタログにはスポーツ系の車種しか登場しない。
かつてミニバンブームの時代には、販売店からミニバン用ホイールを作ってほしいという要望があったそうだが、萩原氏は頑として受け付けなかったという。「結局、オマエの作りたいモノしか作らないのか、と言われました。まぁ、実際そうなんですけど」と笑う。
その「アドバン・レーシング」シリーズが目指しているのが世界標準の絶対的なカッコよさだ。
実際、欧州の自動車ショーでも、車高は低く、ホイールはツライチ、そしてキャンバーというのが普遍の価値観。日本市場だけが特殊な環境なのだ。あのポルシェでさえ、日本仕様は細いタイヤに変更している。
もうひとつ、萩原氏ならではの拘りが、アフターパーツが装着されることを前提にデザインしている点。
例えばアドバン・レーシングGTでは、アフター市場の大きなブレーキキャリパーも装着できるよう開発段階から想定されている。
「ホイールを替えて、社外品のキャリパーにスポークが当たったらカッコ悪いですよ。アフターの商品を作るなら、そこまで考慮しないとプロフェッショナルとは言えません」。
細部に宿る萩原流の拘り。突き詰めて作り上げられた美しさこそが、ヨコハマホイールの魅力である。
YFC TEL03-3431-9981 http://www.yokohamawheel.jp/
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