「機能性の追求」「飽きのこないデザイン」
「流行に左右されないスタイル」
F1への供給でも知られる高性能ホイールの代名詞「BBS」。超超ジュラルミンA7000系を採用した鍛造ホイール「RI-D」は、R35GT-Rなどの超高性能スポーツモデルをターゲットに開発。そのDNAを継承するアルミ鍛造ホイールが「RI-A」だ。
「われわれは、ホイール作りにおいてカッコ良さを意識していません。BBSホイールはまず徹底的に機能性を追求。デザインはその結果、必然的に生まれたものなのです」。そう言い切るのはBBSジャパン営業企画部の長尾和広部長。
BBSを代表するイメージといえば、メッシュタイプのデザインだ。「メッシュホイールといえばBBS、BBSといえばメッシュホイール」それは自動車ファンの間に浸透している。
平成23(2011)年、BBSは加工の難しい航空機などにも使われる超超ジュラルミンA7000系を使った超軽量な鍛造ホイール「RI-D」を市場に投入。デザインも伝統のメッシュではなく、5本スポークをモチーフにしたシンプルだが、新しさを感じるデザインを採用した。
メッシュからスポークへ。BBSとしてはデザインの大きな変革を成し遂げたが、「機能性の追求」「飽きのこないデザイン」「流行に左右されないスタイル」という同社の製品開発に対する3つの定義は不変。
RI-Dのデザインも超超ジュラルミンという新しい素材の優位性を生かしながら、最高のホイールを追い求めた結果、生まれたものだ。軽量・強靭という機能性を追求して生まれたこの高性能ホイールは、R35GT-R用として20インチサイズが設定され、多くのR35GT-Rオーナーに支持されている。
新たな高性能ホイールの指標は「剛性」よりも「靭性」
第2世代スカイラインGT-Rオーナーから、R35GT-R用ホイール「RI-D」のDNAを継承するホイールを望む声が高まらないわけがない。コンセプトはそのままに、高価な超超ジュラルミンではなく、アルミを使った鍛造1ピースホイールの「RI-A」が誕生した。
走行中は、たとえレーシングホイールでもコーナリング中に僅かに変形している。この変形が少ないと剛性が高くて良いホイールとされてきたが、この変形を最小限にしようとすると、ホイール自体の肉厚を上げることが必要で重くなる。結果、もうひとつの高性能ホイールの指標である軽量化とせめぎ合いが生じる。
「われわれも安易に剛性という言葉を使い過ぎていたと反省しました」と語る。そこでBBSでは新たな高性能ホイールの指標を導いた。
それは長年にわたるF1用ホイールの開発実績から得た答えだった。「剛性」よりも「靭性」。これは走行中にホイールが縁石に乗り上げたり、大きな衝撃を受けたりしても、変化しつつも元に戻るような粘りやしなやかさを持たせること。この新指標をベースに超超ジュラルミンの優位性を生かした軽量かつ強いホイールを追求。また、さまざまな解析の結果、5本スポークのデザインは強さと軽さという機能性の面でも非常にバランスが良いことが判明した。「今のところ、これ以上、良いモノは考えられないのです」と長尾部長は自信をうかがわわせる。
BBSは「RI-A」にも、レーシングフィールドで鍛え上げたノウハウを搭載した。そのひとつがホイールとタイヤのリムずれ防止策である「アンチスリップペイント」。
GT-Rほど高性能で重い車両だと、フルブレーキングやフル加速時にタイヤとホイールの間でスリップし、タイヤの装着位置がずれてしまう。その結果、走行中に突然ホイールバランスが崩れるのである。
この対策として一般的にはホイールのリムにローレット加工を施すが、BBSでは独自のアンチスリップペイントでこれを抑制。リムフランジ部分までペイントされることで、タイヤとの接触面も大きく、効果の程は明白である。これもまたF1ホイールからのフィードバックだ。
一方、ホイールの顔となるディスク面では、センターオーナメントを小さくし、伸びやかな印象を与えるスポークデザイン。見る角度によっては伝統的なY字メッシュの延長線上にあることを感じさせ、また見方を変えれば明らかに5本スポークという独特のデザインである。
「RI-A」は余計な贅肉をそぎ落とし、機能性を追求した工業製品だけが放つオーラを感じさせる、まさに21世紀のBBSホイールである。
BBSジャパン フリーダイヤル0120-57-4433 http://www.bbs-japan.co.jp
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