一度は朽ち果てた個体をファンの熱意と情熱でレストア
映画終了後、一番星号はパチンコ店に展示されていたが、その後は解体屋で朽ち果ててしまっている無惨な姿で発見され、多くのファンを失望させた。
ところが平成2年頃、大阪の有力者によって引き取られ、1年の歳月をかけて見事蘇ることとなる。映画当時のままのパーツはほんの一部だったため、飾りや箱のペイントを当時風に再現。大阪を拠点に多くのファンを喜ばせたものの、排出ガス規制などの事情により走らすことが困難となる。
そして平成26年4月、トラック野郎のカリスマとも言える全国哥麿会の三代目会長、田島順市氏のもとへと嫁ぐことになったのだ。
映画『トラック野郎』の製作及び配給を受けて旗揚げされた全国哥麿会で活躍することとなった一番星号は、驚くべきペースでレストアが展開されてゆき、飾りもより映画当時のスタイルへと再現されてゆくこととなる。
デコトラの証しである「電飾」が点灯できない
しかし、難題とされていたのがナイトシーン。通常のトラックが使用するバッテリーの電圧は24V。当然電球も24Vが使用されているなか、一番星号は劇用車輛という位置付けから日常での使用を視野に入れて製作されていなかった。そのため発電機を装備したうえで100V用の看板用電球を多数使用していたのである。