ユーザーにストレスをかけない設計を基本に
さりげなく存在感を主張するフォルムを実現
ブース中央にロールスロイスのスポーティクーペ「レイス」を展示する『WALD(ヴァルド)』。大阪オートメッセ2016には、このほかトヨタ・ヴェルファイア/ランドクルーザー/ハイエース、メルセデス・ベンツSクラス/AMG GT、マセラティ・ギブリを展示していた。
いずれも同社のエアロパーツを装着しているのだが、その佇まいはじつにナチュラル。存在感はあるのだが、まるで純正フォルムのような気品を感じさせられる。
そのようなフォルムが、国内だけなく海外からも高い支持を受けている。しかも、そのユーザーはブースに展示している高級車に乗るようなセレブも多数含まれているのだから驚きである。
「エアロパーツは、クルマのサイズ感を変えないことに気を配っています。大きなスポイラーやウイングを使えばイメージは一変します。それをヴァルドのエアロを買っていただくお客さまは求めていません。
また、ユーザーがストレスを感じないことが基本です。例えば路面の段差を気にせず通過できるなど。そのようなことなども含めて設計をしています。とはいえ純正とは異なる存在感をプラスすることは重要です」と守 竜太郎代表は語る。
ヴァルドのエアロパーツは、基本的にフロント、サイド、リヤの3ピース。フェンダー交換など大きな加工を必要とする大掛かりなパーツは存在しない。
「クルマのフェイスには表情があります。バンパーまわりの輪郭を変更し、ラインの取り方、ハイライトの入り方でイメージは変わります。純正でも標準グレードとスポーティグレードでラインが異なっていて、そのイメージを参考にすることもあります。しかし、フェンダーの膨らみ方が違うなど、さまざまな要素を融合させるデザインを成立させるところが難しいですね」と守代表。
「デザイン性とクオリティを高めることを優先しています。例えば、エアロパーツを製造するとき、金型が使えるデザインにすれば生産性は高まります。しかし、凝ったデザインにすると金型が使えず、一つずつ型に入れて作ることになってコストは高くなります。それでも良いものを作り、お客さまに満足してもらえる製品をリリースするための努力は惜しみません」と語ってくれた。
ヴァルドが作り上げる「さりげなくゴージャス」な世界観は、まさにクォリティを高めるためには一切の妥協を許さないことから作り上げられていると実感した。
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