元祖ツライチはレーシングマシン
速さを求めて極限までワイドトレッド化
ホイールを新たに購入するとき気にすることは? ほとんどの人はまずデザイン、次いでサイズという順だと思う。サイズといっても色々ある。インチやリム幅、インセットなど……。それらに加えイメージに大きく影響するのは、ホイールとフェンダーのクリアランスだ。
どんなに大きくカッコいいホイールでも、フェンダーより大きく内側になっているのは正直イケてない。そこでフェンダーとホイールの面をできるだけ同じ位置に持ってくる、その状態をドレスアップ業界では『ツライチ』と呼んでいる。
ルーツを辿れば始まりはやはりレーシングカー。トレッドを広げコーナリング性能を高めることが目的だが、フェンダーからはみ出すと違反になるので、ギリギリのラインに収めなければいけなかった。
絶妙なツライチを決めるには車種やホイールは当然として、組み合わせるタイヤや足まわりも考慮する必要がある。逆にフェンダーの内側に入るのを『ツラウチ』と呼ぶケースもあり、現代のレーシングカーではコチラが主流といえるだろう。とはいえ純正のように奥に引っ込むワケじゃない。より高いコーナリング性能を獲得するため、トレッドの拡大よりローダウン量を重視した結果なのだ。
ちなみに、同じインセットでもリム幅を広げればツライチになるし、さらにキャンバーの角度でそれぞれの数値は異なってくる。また、サスペンションのストローク量、さらにストロークしたときのタイヤの動きまでを考慮しないと、走り出したらタイヤやホイールがフェンダーに干渉してしまうということもある。当然、同じサイズのホイールでも車種によっても状況は異なってくる。
ツライチをギリギリまで攻めるときこそ、ドレスアップに理解あるショップの知識と経験が必要だろう。
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