長年の風雨で劣化してしまった箱絵を修復
最終仕上げといえる「箱絵」の修復にいよいよ着手。この箱絵は長年に渡り風雨にさらされていたので全体的に痛みが激しいため、加筆して直すのは無理である。
そこで一度剥離してから描き直すことになったのだが、なにぶんサイズが大きいのでまずはリアの観音開き扉の絵から修復することになった。
この箱絵の描き直し作業は、キャブ(運転席部分)の絵柄と同様にネモト功芸社が手がけたのだが、今回は心強い助っ人に来てもらっていた。
その人は元東映美術監督である桑名忠之氏。「トラック野郎」製作スタッフであり、美術監督として一番星号の箱絵を手がけた人である。
一般的に「絵」はどんなにそっくりでも描き直しされたものだと魅力は半減しがち。だが、今回はオリジナルを作った人が加わっているので、描き直しといってもその魅力が褪せることはないのである。
長年、風雨にさらされていたため痛みの激しい箱絵。ここは一度すべて剥離されてから新たに描き直されるのだが、今回はまずリアの観音開き扉の絵から着手された。
当時の美術監督が加わり箱絵を描き直す
帽子を被っている人が元東映美術監督の桑名氏。一番星号の箱絵の原作者だ。多くの資料を集めたうえで再生作業が行われた。
その作業を行ったのはネモト工芸社のガレージ。剥がした元絵の塗料は捨てずに集められて保管。塗料の破片はイベントなどで来場者に頒布する予定とのこと。
塗装以外にもマーカーランプの位置決めも行う。真横から撮影された資料がないのでここもひと苦労。
このように、多くの人の知識、そして情熱と努力によって「一番星号」は復活を遂げていったのである。
<トラックカスタム・プロショップ>