着々と進む「一番星号」のお色直し
長年の風雨にさらされて傷んでしまった「一番星号」の箱絵(荷台の絵)。その修復は、オリジナルの再現といえるクォリティを実現した。それは、元東映美術監督である桑名忠之氏が参画していたからだ。この人物こそ、映画・トラック野郎で「一番星号」の箱絵を手掛けた一人なのである。
このような大プロジェクトで復活を遂げる一番星号が、観音扉のリペイント後に出掛けたのは石川県で開催された「全国北誠会」のイベント。この石川県は、約1年前に鈴木監督(映画・トラック野郎)を追悼する「カナザワ映画祭」でも訪れた場所。その頃の一番星号はようやくナンバーが付いただけの状態だったが、今回はお色直しも進んだ姿である。復活に向けて着々と仕上げられている一番星号を改めて石川のファンにお披露目する機会となった。
観音扉のリペイント以外には、寝台窓(運転席後方のスペース)の絵柄の裏に蛍光灯をセット。これによって寝台窓に描かれた絵柄の存在感が増した。
さらに一番星号の外装アイテムで欠品となっていた箱前部の両サイドのマーカーランプだが、これも製造元を探し当ててることに成功。連絡を取りお願いすることで特別に製作してもらった。
内装はまだ手つかずだが、それでも助手席後部の襖は映画を参考に再現。助手席や寝台も畳敷きになっていて和の魅力をアピールする。
日が暮れると待ちわびていたギャラリーが一番星号の周辺に集まり出す。
お目当てはもちろん完璧に作り直されたナイトシーンを見ること。それだけに一番星号の電飾に光が点ると大きな歓声が沸いた。