ドライバーが対等に対話できるR34&NSX
BNR34型スカイラインGT-RとNSXは、アプローチこそ異なれど、「ドライビングプレジャー」を追求しているという点において、志は共通している。
スカイラインGT-Rにロングツアラーとしての資質があることは、今さら説明するまでもないだろう。
第2世代GT-R の集大成ともいえるBNR34型スカイラインGT-Rは、強靱なボディ剛性とゲトラグ6速MTのおかげで、快適な高速クルージングを楽しむことができる。
一方のNSXも、これほどまでに長旅が心地よいとは予想していなかった。一週間分の荷物をトランクルームに収め、リヤから聞こえてくる乾いたV6サウンドをBGMにしながら、このままどこまででも走り続けたいと思わせる。そんな味わい深さがあった。
稚内へ向かう道中、荒れた路面が延々と続くワインディングに出くわした。2台は水を得た魚のごとく、高いスタビリティを維持しながら次々と華麗にコーナーを駆け抜ける。ともに開発過程において「ニュル」で徹底的に鍛え抜かれたという史実が、ステアリングやシートを通じてドライバーに伝わってくる。
絶対的なパフォーマンスに関しては、現代のスーパースポーツに分がある。しかし、BNR34型スカイラインGT-RとNSXには、ドライバーを置き去りにしてしまうようなやり過ぎ感がない。両車、3ペダルのMTであるということも大事な要素だと感じた。クルマと人、どちらかが主導権を握るのではない。あくまで、対等に対話ができる。
憧れの存在であると同時に、等身大で付き合える。だからこそ、多くのファンに愛され続けている。今回の旅で、そう確信した。
(レポート:GT-Rマガジン編集部)
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