スポーツモデルが充実する軽自動車市場
15年ぶりに復活を遂げた、伝統の『ワークス』が話題沸騰中のスズキ36系アルト。スポーツカーとしての魅力にあふれる基本性能だけではなく、チューニング業界に新たなムーブメントを起こす、台風の目となることは間違いない。
ホンダS660や2代目となるダイハツ・コペンなど、いま軽自動車のスポーツモデルが熱い。そこにスズキが投入した新型アルト。5ドアの実用車という他とは毛色の違うパッケージだが、チューニング業界の盛り上がりは相当なレベルだ。
最大の理由がワークスであることが確かだが、単にネーミングが復活しただけでは、ココまで多くのユーザーやチューナーを引きつけはしない。
現行モデルである36系アルト全体に通じるイチバンの魅力、それは驚異的な軽さのボディだ。もっとも軽いグレードが610kg、最重量でも740kg。
対するS660は830kgでコペンは850㎏。その脅威的な軽さがご理解いただけただろうか。動力性能がほぼ同じなので、アルトの軽快感は想像できるはず。
豊富なグレード構成と、参加できるイベントの幅広さも一因だろう。ワークスおよびターボRSは今年から『アルトワークスカップ』が開催され、2017年からはレース形式の導入がアナウンスされている。NAなら新規格NAのワンメイクレース、東北660選手権が全国的な人気を博しており、いずれも細かく定められたレギュレーションのもと、ドライバーの腕を競うことができるのだ。
新車価格が69.7~161.8万円というのも、『若者のクルマ離れ』に一石を投じるとの期待感が大きい。NAは中古車がそこそこ存在し、サーキット仕様を作っても150万円でお釣りが出る。シビックやスターレットなどライトウェイトスポーツに若者が熱くなった1990年代。あの時代を再び呼び起こしそうな存在、それが36系アルトなのだ。
(レポート:佐藤 圭)
発売元:交通タイムス社公式
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