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エンジン特性から見た「軽中古車」の正しい選び方

ダイハツ初代エッセ(L245S型)。2005年12月登場

エンジンスペックは似ていても特性が異なる
スズキ「K6A」とダイハツ「KF-VE」

スズキ「K6A」とダイハツ「KF-VE」という軽自動車用のNAエンジン。走り志向のユーザーにいわせると排気量が一緒でスペックもよく似ているが、スズキのK6A型エンジンは高回転タイプ、ダイハツのKF-VE型エンジンはトルク型と特性はまるで違うという。失敗しないクルマ選びの一助になるように、その違いを詳しく紹介しよう。

スズキK6A型エンジンとダイハツKF-VE型エンジンの特性の違いが、大きかったのは一世代前のモデルだ。さまざまなクルマに搭載されているが、ざっくりと言えばここ1〜2年くらいでフルモデルチェンジしたクルマはその差がかなり少なくなっているようだ。

高回転の伸びはスズキ、低中速トルクのダイハツ

まずは、この2エンジンのパワーとトルクの違いをおさらい。年代や搭載する車種で差があるため、両者ともイチバン高い数値をピックアップする。
スズキK6Aは54ps/6.4kg-m、対するダイハツKF-VEは58ps/6.6kg-m。東北660選手権などの軽自動車によるワンメイクレースではK6AとKF-VEは2大勢力となっている。このレースでは、エンジンは本体の改造が認められておらず、必然的に素性のよさが重視されるというワケだ。

レースが始まった当初はスズキHA23V型アルトが主力車種。軽量ボディによく吹け上がるエンジンのコンビは、いまだに高い戦闘力を誇る

このレースに参戦しているドライバーたちによると、K6A型エンジンは高回転の吹け上がりが武器で、KF-VE型エンジンは下のトルクが利点とのこと。
クルマの車量やボディ剛性にもよるが、ストレートの伸びではK6A、立ち上がりではKF-VEという図式が成り立っており、負けず劣らずの争いを繰り広げている。

2~3年前からどんどん増えているKFエンジンを積んだダイハツ勢。低回転域のトルクが豊かなので、ボディの重さはさほど苦にならずに走る

ひとつ不思議なのはピーク値の出る回転数。K6Aはパワーが6500rpmでトルクが3500rpm、KF-VEはパワーが7200rpmで4000rpmと、数字だけを見ればKF-VEが高回転型といえるだろう。
しかし、レース参加者の声を総合すると、K6Aは上までキレイにまわるのでストレートの多いコースでアドバンテージがあり、KF-VEは下から中間まで太いトルクが持続しストップ&ゴーの多いコースで有利ということになる。

このような特性から考えると、大きな幹線道路を中心に走行するユーザーにはスズキのK6A型、アップダウンの多い市街地をメインに走行するならダイハツKF-VE型がオススメといえるだろう。

【スズキK6Aエンジン搭載車ギャラリー】

【ダイハツKF-VEエンジン搭載車ギャラリー】

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