フロントタイヤのキャパシティをアップさせる
このA08Bは、もともとナンバー付きのワンメイクレースとして盛り上がりを見せている「GAZOO Racing 86/BRZRace」のレギュレーションを満たしつつ開発されたレース用のラジアルタイヤだ。
開発を担当した『ヨコハマ・モータースポーツ・インターナショナル』の八重樫剛氏は
「ネーミングおよびトレッドパターンは86/BRZ用の205/55R16と共通ですが、単純にサイズだけを変更したわけではなく、R35用としてかなりの部分にモディファイを加えています。純正の硬いランフラットタイヤに対して、A08BはR35GT-Rの車重やボディ剛性、パワーなども鑑みつつ、ケーシングのたわみも利用することでタイヤ全体でグリップを発揮する構造としています。ワンメイクレース用というイメージが強いかもしれませんが、R35GT-R用に関しては公道での使用も想定しています。レースなどの競技専用ではなく、弊社のフラッグシップラジアルであるアドバン・ネオバAD08R同様、ハイグリップのストリートラジアルと考えていただいて結構です」と語る。
ちなみに、R35GT-R用にリリースされたサイズは純正リヤタイヤと同様の285/35R20サイズのみ。これには理由があるという。
「A08Bのターゲットユーザーは、ある程度チューニングを施してサーキット走行なども楽しまれているR35GT-Rオーナーです。現在、各チューニングショップさまのデモカーをはじめ、サーキットでタイムを追求するにはフロントにも285サイズのタイヤを装着するのがトレンドとなっています。フロントタイヤのキャパシティを上げることで、タイムはもとより乗りやすさにも繋がります」と八重樫氏は説明する。