A08Bのメリットは軽量。ラジアル最速のパフォーマンス
富士スピードウェイを舞台に、アドバンA08B、GT–Rニスモ用の純正DL、MY14(2014年モデル)用の純正DLという3種類のタイヤのラップタイムと特性を比較。
テスト車は純正タービンのブーストアップ仕様で約630psを発生する『HKSテクニカルファクトリー』のR35GT–Rを使用した。
インプレを担当するのはA08Bの開発ドライバーも務める谷口信輝選手だ。まずはA08Bを履いてタイムアタック。計測1周目にいきなり「1分47秒846」という好タイムをマーク。
ブーストアップのラジアルタイヤ仕様では、最速といってもいいタイムだ。
「A08Bが純正のランフラットタイヤと大きく異なるのは、まずタイヤ自体が非常に軽量という点です。バネ下重量が軽くなることでハンドリングも軽快になりますし、サーキットだけではなく、普段の街乗りでも確実に乗り心地が良くなります。アタック中にほかのクルマに引っかかったため、あと0.5秒くらい更新できそうですが、富士で47秒台というのは恐らくブーストアップ仕様のR35としてはラジアルで最速の部類に入ると思います」と谷口選手は語る。
「A08Bが優れているのは、冷えていてもある程度グリップしてくれるという点。純正タイヤはコースイン直後の1コーナーやAコーナーなど、かなり気を使わないとまったくグリップしてくれません。気温の低い時期には念入りにウォームアップしないとポテンシャルを発揮してくれないのです。
一方、A08Bはアウトラップ翌周にはしっかりとタイヤの作動温度域に入ってくれるため、安心してアタックすることができます。発熱してからのグリップ感も高く、100Rなどの高速コーナーの安定感も抜群です。また、1周だけではなく連続周回でもタレが少ない点も特筆すべき特性です。富士なら10周くらい走り続けても、ベストタイムの1秒落ちくらいでラップを並べることが可能です」とコメントする。
その言葉どおり、A08Bは計測1周目のベストタイムに対し2周目=1分48秒052、3周目=1分47秒943と0.2秒落ち程度での周回が可能だった。