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三菱「燃費不正問題」で日産が得たものとは

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燃費不正問題から提携へと話題を操作

ポイントは相手(三菱自動車)に考える時間を与えず、電光石火の交渉締結である。

三菱自の「燃費不正」がゴーンの耳にいつ報告されたかは不明だが、第一報を受けた瞬間、ゴーンの頭の中には今回のシナリオが浮んでいたはずだ。
三菱自動車を買いたたく、100年に一度あかないかのチャンスであったはずだ。

日産自動車カルロス・ゴーン社長

日産自動車カルロス・ゴーン社長

以下は推察だが、4月20日に三菱自が自ら「燃費不正問題」を公表しなければ、日産は独自に連休前に発表したのではないだろうか。
10日以上もあったゴールデンウイークの連休期間中なら、マスコミなど世間の注目も大きくはならない。この間に交渉を進め、連休明けに提携を発表すれば燃費不正問題よりも提携劇に注目が集まることは間違いなく、これは日産にとって、というよりも三菱にとっても大きなメリットを生み出すのだ。

とはいえ、先に日産に公表されては三菱自のメンツが立たない。そればかりかさらにダークのイメージがついてしまう。三菱自としては、それだけは何としても避けたい。
いわば日産に詰め腹を切らされるように、自ら不正発表に至ったと見るのが4月20日までの流れではないだろうか。

この電光石火の交渉劇は販売現場でも、あまりに突然の出来事だったという。
日産ディーラーの営業マンによれば、
「4月20日、全営業マンあてに日産から連絡がきました。軽自動車の試乗車・展示車はすぐに撤去すること。カタログもすべて撤去。営業マン全員、夕方から行なわれる三菱自動車の記者会見を必ず見ること。あまりに突然のことで、何か大きなことが起きたのだろうと思っていましたが」と困惑した表情で語った。

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