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CR-XにインテRのエンジンを搭載したモンスターマシン

アメリカの定番チューン「エンジンスワップ」
国産車にも対応したパーツが販売されている

2016年5月22日に大阪市舞洲で開催されたアメリカンカスタムカーの祭典「CROSS FIVE」。アメ車などのドレスアップカーが立ち並ぶイベントで、ホンダ初代CR-Xや3代目インテグラに、真新しいエンジンを搭載したクルマが並ぶスペースがあった。

ホンダ車ばかりを展示するのは「FIVE MART」。
どれもスポーティな出で立ちなのだが、車高はやや高め、キャンバーも立ち気味、ホイールは15インチ。
エアサスでベタベタに車高を下げているクルマが多くいるなか、明らかに異彩を放っていた。ここに展示されているクルマは、すべてストリートからワインディングやサーキットまでスポーティな走りをできるようにセットアップされている。
高い車高はサス・ストロークを稼ぎ(オリジナルの車高調整式サスを装着)、しなやかかつ強靱な足まわりにしているそうだ(グリーンのシビックはローライダー仕様)。ホイールは、フィットの場合、フロントが8J、リヤ7Jにすることでノーズがシッカリと入り、リヤが適度に流れるFFスポーツらしい走りをするそうだ。
あえて低偏平タイヤにしないのは、タイヤのエアボリュームを確保して、高いトラクション性能を実現するためだと古川代表は語る。ホワイトレターにしているところやハイトの高いタイヤが、なんとなくアメリカンが雰囲気を醸し出す。

オリジナルのLOOP6ホイールは、あえてスポークを短く見せるデザインでレトロ感を出しているが、大径ブレーキが入るように内側のスペースはしっかりと確保されている。

軽量な旧車はノーマルエンジンスワップでも十分速い

これだけでも十分にマニアックなのだが、初代CR-X(バラード)にはインテグラ・タイプR、3代目インテグラがオデッセイのエンジンを搭載。じつはこのようなエンジンスワップ(換装・載せ替え)は、アメリカでは定番チューンなのだと。そして初代NSXは、そのボディに注目だ。

800kgのボディに200ps!ノーマルエンジンでも十分

初代CR-Xが搭載するのは、インテグラ・タイプRが搭載する1.8リットルVTECエンジン。とくにチューニングは施されていないが、そもそも200psを発揮。
ベース車のCR-Xは、1.5iという110ps(グロス)エンジンを搭載する比較的ベーシックなグレード。車重は800kgしかないので、200psのエンジンを搭載するだけで十分速くなる。このように古い(=安い)ベース車に現代のハイパワーエンジンを搭載して、お手軽に速くするのがアメリカ流チューニングなのだ。そのためアメリカでは、CR-X用のエンジンマウントが販売されている。

さらにエンジンハーネスやメインハーネスも販売されていて、インテグラ・タイプR用の純正コンピュータで制御し、純正スピードメーターなども正確に動くそうだ。もちろん、公認車検を取得済みだ。

エンジンの向きが逆でも搭載してしまう

3代目インテグラが搭載するのは、3代目オデッセイの2.4リットルエンジン。
インテークマニホールドやインジェクターのデリバリーパイプなどはアメリカ製のチューニングパーツ。

こちらもエンジンマウントやハーネスもアメリカでは販売されているそうだ。

じつは、このインテグラはエンジン前(車体先端側)から排気をするのだが、3代目オデッセイはエンジン後方から排気するリバースヘッドタイプ。つまり、エンジンレイアウトが前後逆になっている。
確かに、マツダの初代ロードスターにシボレー・コルベットのV8エンジンを搭載した例もあるくらいだから、アメリカでは他車のエンジンをスワップは定番チューニングでパーツも潤沢に出回る土壌があるのだろう。

NSXだからできる期間限定ポリッシュ加工

これはアメリカンか?といわれると「ピカピカな部分が」と答えるしかないが、こんなポリッシュ(磨き)加工ができるのはアルミボディを採用するNSXならでは。
当然のことながらボディに皮膜はないので、耐候性は皆無。それゆえ期間限定の仕様なのだ。

(撮影:川島秀俊)

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