純正エアサス以外は車高調整不可という矛盾
今回は日本のエアサスメーカーであるユニバーサルジャパンに話を聞いたが、同社製品を購入したユーザーには、構造変更申請に必要な書類を発行している。その書類を元に陸運局へ提出する書類を作成するのだ。
ところが、この書類を作成するだけではまだ不足だ。
じつは自動車メーカーから発売されたクルマに「標準装備しているエアサス」以外は、エアの調整によって車高を変化させることは認められていない。
構造変更の申請時にエアタンク、バルブ、配管、スイッチなどが付いていると「原則として」検査には通らない。
それゆえ申請時は法令に合致する車高にセットした後、エアタンクなどをすべて外してから陸運局へ持ち込むケースもあるようだ。
ただし、この点については陸運局の担当者によって見解が異なる場合もあるようだ。
車高を固定できる機能があれば保安基準適合
「え~」と思うだろうが、後付けのエアサスについては「バネサスをエアサスに変えてもいいが、車高が変えられる機能を持った仕様になっているのはダメ」という決まりなのだ。
構造変更に必要な書類も揃っていても、車高調整機能を働かせられるのは純正だけというのは明らかに矛盾している。
ただ「例外」はある。
それは「原点復帰装置」を付けると言う手段。これはエンジンを切っているときは車高が下がっていても、エンジンを始動して走行できる状態になったときに、自動的に保安基準適合値の車高になるような機能を持たせるものだ。この機能を持っていれば、エアタンクなどが装着されていても問題ない。
しかし、これはこれでエンジン始動後の車高が毎回自動的に法令範囲に合うように設定したりと、高い技術と費用が求められるそうだ。また、走行中に車高を変える機能は付けてはならないという。
このようにエアサスにはいろいろと難しい規制がある。
だからこそ、ユニバーサルジャパンのような信頼性のあるメーカーの製品を購入すること。
作業経験豊富で「正確な」取り付けと、構造申請についての知識があるショップであるとこ。
カスタムを楽しむには、当たり前のことかもしれないが、サスペンションという重要部品だけに信頼できる製品とショップを選ぶことが重要なのである。
(レポート:深田昌之)
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