ホログラムラッピングの輝きと
スーパーカーの魅力を表現
国内はもちろん、世界にもその名を轟かすスーパーカー集団に憧れ、彼らの世界観をトヨタ16系アリストで表現した佐藤クン。
この仕様を作るために、チームの代表であり、身近なライバルでもある鈴木クンが全力サポートした。
眩いホログラムラッピング、そして限界まで追求したフェラーリの魅力を武器に華麗に疾走する。
未だかつてVIP業界で、ここまで眩しい16系アリストを見たことがあるだろうか。
塗装では絶対に表現できない、ラッピングだからこそ可能にしたホログラムの輝き。昨年のイベントでいきなりこの姿で現れるや否や、多くのギャラリーが目を丸くした。デビュー戦の佐賀がばいCUPでは総合3位、次の広島トップスタイル杯では何と総合優勝。その後のイベントでも総合入りと、素晴らしい成績を収めたのだった。
ただ、オーナーの佐藤クンは謙遜しながら話す。「僕1人の力ではこのアリストは作ることはできなかった」と。
斬新なメッキフィルムでラッピングした16系アリストで、2013年VIPSTYLE3月号の表紙を飾ったことは今も記憶に新しい。
現在はレクサスIS Fに乗り換え、ショップ「Fディベロップメント」を設立。先日の東京オートサロンにも出展した。
そんな彼にクルマを預けた佐藤クンだが、じつは以前から「ヤツに勝ちたい」という闘争心がメラメラと燃えていた。
「鈴木とは歳が同じで、少し前までは車種も同じ。僕にとっては『最強のライバル』でしたが、現実はあのメッキのアリストが隣に並ぶと全く評価されない。悔しかったです」と佐藤クン。
だからしばらくモチベーションが下がっていたが、鈴木クンがアリストを降りたことでやる気が復活。ブラックジャックの目玉車種を、もう1台作りたい。その強い想いから生まれたのが、現在の仕様である。
最強のライバルと二人三脚で作り上げた
遊び心溢れる”カーガイ”リスペクト仕様
イルミの輝きを纏いながら横浜の海をクルージングする豪華客船、マリーンルージュ号。さらにその向こうには、観覧車やビルの光が煌めくみなとみらい21地区。
どちらも非常に美しいのだが、このアリストに勝てるだろうか。
前述の通り、ボディはホログラムのフィルムでラッピングしている。
ただ普通のフィルムと違って温めても全く伸びず、一枚貼りはほぼ不可能。
だから細かく切り刻んで、丁寧に貼り込んだ。
「分割して貼ることでラインができ、結果的にボディの曲面や膨らみを上手に強調することができました」。
このフィルムは日本で活動を展開するスーパーカーエンタメ集団、カーガイのメンバーも目を付け、高価なアヴェンタドールやガヤルドを虹色に輝かせて話題を集めた。
スーパーカーが大好きな佐藤クンにとって、カーガイへの憧れは非常に強い。
「大人たちがスーパーカーで楽しく遊ぶ。僕もクルマは遊んでナンボだと思っていて、その精神をリスペクトしているんです。そこで今回は大人の余裕を感じさせる、新しいスーパーカースタイルを目指しました」。
ボディカラー以外も一新。以前からフェラーリをイメージしていたが、雰囲気をさらに実車に近付けた。
フェラーリ599XXを意識したフロントは、細部の造形を修正して質感を向上。一方リアは、F12ベルリネッタと458イタリアのいいとこ取りで躍動感を演出している。
そしてフェラーリ純正のエアロミラー、テールをつぶしてトランクを貫通させたFXX風マフラーなど、随所に「跳ね馬」の魂を注ぎ込んだ。
「クルマで思いっきり遊べる大人になりたい」。
内装は数年前にフルで張り替えたが、フェラーリの荒々しさをまとった外装に合うようにフロントのシートをスパルコのバケットに変更。カーガイのロゴを刺しゅうして、さり気なくオーナーの憧れを表現した。
ディープコーンのステアリングもカーガイの限定モデルを選び、車内に「大人の遊び心」を取り入れた。
「このステアリングは、セダンで付けている人はまず見ない。小振りなので、運転しやすくなりました」。
今回のフルリメイクによって、大幅に上がったトータルバランス。鈴木クンが乗っていたアリストに勝るとも劣らない、自信を持って最前線へと突き進める1台に仕上がった。
「この仕様を作るために鈴木は各方面に出向いて、職人サンと何回も打ち合わせしてくれたんです。その結果が報われて、総合優勝もできた。鈴木には本当に感謝しています。今度は僕が、彼が立ち上げたショップの名を全力で広めていきたいです」と佐藤クンは語る。
(レポート:VIPスタイル編集部)
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