ガス充填が症状を悪化するケースもある? 専門家の修理が必要なエアコントラブル
梅雨の季節は、雨ならムシムシ、晴れれば真夏日で、不快指数もレッドゾーン。この時期の「エアコンなしのカーライフ」は考えられないのだが、エアコンのトラブルの発覚が一番増えるのもこのタイミングだ。
少しでもエアコンを入れても冷えにくい、ウインドウの曇りが取れづらいと思ったら、早めに電装屋さんに点検してもらうことをオススメする。
まずはセルフチェックしてみよう
エアコンの効きが悪い場合、冷媒ガス(エアコンガス)が抜けているケースが多く、ガソリンスタンドなどで「無料点検」を勧められることも珍しくない。このとき、どこをチェックしているかというと、エンジンルームのリキッドタンクのサイトグラス。 エンジンをかけ、エアコンを風量&冷房MAXでON。そしてココを覗いて、小さな泡がちょろっちょろっと流れている状態なら正常(画面左)。気泡が勢いよく流れていれば、冷媒ガス不足(画面右)。逆に気泡がまったく見えなければ過充填ということ。
こんな簡易な点検でも、冷媒ガスが抜けて不足しているかはわかる(あくまで目安)。しかし、どこからどう洩れているかまではわからない。それにもかかわらず、「ガスが抜けているんで、補充しておきましょう」といわれることがけっこうある。
ところが、エアコンのトラブルの原因には、冷媒ガスのリーク以外に、冷媒ガスの過充填も少なくない。
したがって、安易な補充は、さらに症状を悪化させる可能性も大なのだ。
そもそも、正常ならガスが抜けること自体ありえないので、ガス漏れ箇所を放置したまま、補充するのは応急処置としてもおすすめできない。
自動車用ならでは特殊な構造を採用しているが故の故障箇所
クルマのエアコンは、家庭用のエアコンの4分の1くらいのサイズで、5倍ぐらいの能力がある特殊なシステム。そのうえ事故などで破損したときの修理を想定しているので、分解可能=つなぎ目多数ときている。
つまり、ガス漏れ箇所を特定するだけでも難儀なこととなる。そんなガス漏れ箇所を特定するには、専用のリークテスターや圧力計(エアコン用ゲージマニホルード)など特別な機材も欠かせない。