動くサスペンションを目指し徹底した剛性アップ
走り出してまず感じたのは、その滑らかな乗り心地だ。
サスペンションがストロークする際のフリクションが明らかに少ない感触なのだ。動き出しがとても滑らかで渋さがまったくない。これはダンパー自体のフリクションをかなり少なくしているのだろう。
フロントは、ストラット式のフロントダンパーに倒立式(純正は正立式)を採用して、曲げ剛性を高めている。さらにスプリングの位置をオフセットさせることで、サスペンションがストロークしたときにダンパーに掛かる横方向の負荷を軽減。これによって、ダンパーのシャフトが真っ直ぐにストロークできるようになっているのも、フリクション感が少ない理由の一つだろう。
一般的に単筒式ダンパーは封入されているガス圧で張りの強さみたいな硬さが出る。しかし、ハイパーマックスGは、ガス圧を10kg/cm2くらいまで落としているのも、スムースなストローク感を出している要因だろう。
しっとりした乗り心地ではあるが、不思議なくらいボディの重さを感じない。
もちろん設計で数字だけをいくらいじってもいい乗り味にはならない。相当テストで走り込んだのだろう。それを実感したのは、ワインディングロードを走らせたときのアルファードのフットワークの良さだ。