まるでメスを入れるかのようにカッターで切り開く
クルマから取り外されたステアリングは、単体で作業台の上に置かれ……
おもむろにメス! いやカッターで周囲を切っていく。
そしてメリメリと背開きに!
張り替えなのだから当然古い表皮を剥がすところから作業が始めるとは思っていたが、まさかカッターでザクッと剥がすとは……。
ちなみに、このステアリングは日産R32型スカイラインGT-Rの純正。
この張り替え作業を行ってくれた「ロブソンレザー」が、東京の下町(江戸川区)にあるからか、ウナギのように、背開き(武士の町、江戸では腹から裂くのは嫌われた)にしているわけではない。
ステアリング脱皮シーン動画でスタッフの方が話しているように、R32型スカイラインGT-Rの純正ステアリングは背割りしないと表皮を剥がした後が大変なのだとか。そのような豊富なノウハウも技術のひとつだ。
そして、きれいに表皮を剥かれたステアリング本体と、脱皮した古い革(長年、疲れさまでした)。
ロブソンレザーでは、主要車種にはすでに型紙が用意されている。だが、念のため、この段階で一本一本細かく採寸。実車合わせしている。このひと手間が、仕上がりのフィット感を左右するところ。