エラーメッセージが消えても直ったわけではない
今回のサンプル車となったのは2007年式のBMW・E90型335i。エラーメッセージにはABS不良と表示されているが、実際にはDSC(ダイナミック・スタビリティ・コントロール=車両安定装置)も、トラクションコントロールも作動しなくなる。
そのような状態で、雨の日に少しアクセルを踏み込めばカンタンにリヤタイヤはホイールスピン。まさにじゃじゃ馬なクルマになってしまっていたのだ。
ところが、エラーメッセージは、必ずしも点灯し続けているとは限らない。
サンプル車のように、約6カ月の間に点灯しては消えるを3回も繰り返すケースもある。
確かに、ランプが消灯すればABSもDSCも一応は作動する。
しかし、OBD車両診断機で調べるとコンピュータには、シッカリとABSユニットのポンプモーターの不具合の記録が残されていた。
ディーラーで修理の見積もりは以下の通り。
サンプル車はDSCハイドロリックユニット(=ABSユニット)の交換。ユニット代が約31万円で、工賃が約3.6万円。見積書のトータルは35万円弱!
中古車で購入した場合、個体によっては修理費が車両購入額の5分の1以上になるケースもあるだろう。
命を預けるパーツだから仕方がないとはいえ、なかなか勇気が必要な金額だ。
ディーラーでは、ABSユニットの修理は基盤交換はするようだが(それでも20万円くらい)、モーターが故障している場合はユニット交換となる。
上の写真はABSユニット。左からモーター、アクチュエータ、基板と3つのパートで構成されている。
BMW・E90型のABSユニットはAte製。日産R35型GT-Rも同タイプのユニットを使用しているらしい。