サイズとインセットを攻めてホイールがハミ出し
違法となるフェンダーとホイールの位置関係とは
ホイールとボディがツライチは、ドレスアップの定番スタイル。
しかし、フェンダーからはみ出してしまっては違法となるのだが、はたしてどこがハミ出すとアウトとなるのだろうか?
ボディからハミ出してはいけない部分とハミ出してもOKな部分がある
じつは、最近のドレスアップ系やスタンス系のクルマを中心に広がりを見せている「鬼キャン」が、ノーマルキャンバーで攻めたホイールを履くより合法となるケースが多い。
ちなみに鬼キャンとは、“鬼のようにサスペンションのキャンバーを付けた”ということで、キャンバーの方向はネガティブ方向(タイヤがハの字となる)となる。
そんな鬼キャンのクルマは、どう見てもタイヤの下の部分が車体よりもはみ出しているように見える。それでも合法となるのは、タイヤやホイールが、ボディからハミ出してはいけない部分とハミ出してもOKな部分があるからなのだ。
その概要については、自動車検査業務等実施要領には以下の文面が記されている。
ホイールのセンターを中心に前方30度、後方50度の扇形の範囲
「自動車が直進姿勢をとった場合において、車軸中心を含む鉛直面と車軸中心を通りそれぞれ前方 30°及び後方 50°に交わる 2 平面によりはさまれる走行装置の回転部分(タイヤ、ホイール・ステップ、ホイール・キャップ等)が当該部分の直上の車体(フェンダ等)より車両の外側方向に突出していないもの。」
つまり、ホイールのセンターを中心に前方30度、後方50度の扇形の範囲さえ、タイヤとホイールがフェンダー内に収まっていれば問題ないということになるのだ。
なお、ロングハブボルトやセンターキャップなども対象となるため、注意してもらいたい。
サスペンションのキャンバーをつけても、フェンダー内にタイヤが収まらないというとき、最後の手段として使えるのが、フェンダートリムなどと呼ばれる貼り付けタイプのオーバーフェンダーだ。
本来、クルマの全幅に変更があったときは構造変更が必要となるが、±20mm以内であれば不要となる。つまり、片側10mm以内であれば、こちらも合法的にワイド化することが可能というわけだ。
このように、愛車をカスタムするときはしっかり法規を理解して楽しいカーライフを送ってほしい。
(レポート:小鮒康一)
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