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渋さのなかに際立つブリスターフェンダーを纏う「30後期セルシオ」

派手な装いでもシンプル
九州VIPを代表する一台

九州のセダンは本当に個性的。今年2月20〜〜21日に福岡県・福岡ヤフオク!ドームで開催された『福岡カスタムカーショー』でデビューした小林クンの30セルシオも、間違いなくその一台である。
ボディは超ワイドだが、トータルで見たら渋い。昔から派手とシンプルが共存していた、九州VIPを象徴するかのようなクルマだ。

家から近い場所にあったカードレスアップショップ「ブレーン」のアンテナショップである「オートガレージブゥビィ」。店先にズラリと並べられたセダンを見て、いつかはトヨタ30系後期セルシオに乗ろうと決めた小林クン。このとき彼は中学生だった。
最初は周りに乗っている人が少ないという理由で、18系クラウンを購入。しかし夢を諦めきれず、2年半後30系後期セルシオに乗り換えた。

「本州には負けない」という気合いを込める

現在の仕様は、毎年2月に開催される福岡カスタムカーショーに向けて製作したもの。このイベントには、有名車輌を手がける九州のプロショップも数多く出展し、最新のユーザーカーが会場を埋め尽くす。
各地から多くのギャラリーも訪れることから、九州のユーザーにとっては憧れのステージである。
特に今年はセダンの出展が尋常じゃないほど多く、しかもどのクルマもハイレベル。「本州には負けない」という、気合いの高さを感じ取れた。

リアもレクサスLS用エアロ『X10』の造形を変えず、エグジスタンスプレミアムのバンパーと一体化。テールランプは光り方が異なる、レクサス純正に変更

「カスタムカーショーの出展は、今年で3回目になります。以前から九州のセダンの勢いがすごいと感じていて、負けたくない想いもあって今回は大胆にリメイクしました」と小林クン。

ブリスター+オバフェンで逞しいスタイリングへと進化し、さらにディープなアメ鍛(アメリカ製鍛造ホイール)を履かせてUSテイストを強めた。
ボディカラー次第ではかなり目立つと思う内容だが、あえてセルシオ純正の202ブラックを選んでビシッと引き締める。
昔からハデとシンプルがキレイに二分化していた九州地方だけに、今回の仕様は双方の良さを上手に融合させたと言える。
「今年はカスタム部門の優秀賞に選ばれ、本当に嬉しかったです。新年早々いいスタートが切れました」。

 


稀少な20系セルシオ用エボブリスターをフル加工
渋さ際立つワイドボディが九州を熱くする

これまでは純正フェンダーでシンプルを追求していた。
しかし、ついにフェンダー加工に着手。しかも手間がかかるブリスターに挑戦しようと思ったのは、30セルシオに乗るハイウェイスターの友永クンに勧められたからだ。
彼の30系セルシオもグラマラスなブリスターボディに生まれ変わり、今年の福岡カスタムカーショーでデビュー。
「友永サンに、『イベントで勝つために一緒にフェンダーやろうよ』と言われたんです。純正フェンダー仕様も好きだったので悩みましたが、大先輩から声をかけられたのが嬉しくて挑戦してみようと思いました」と小林クンは語る。

撮影は、桜が満開となる春に行われた

友永クンの30系セルシオは、MJKカスタムズのブリスターを採用。
小林クンも同じキットを使おうと思っていたが、「いいのがあるよ」とショップに見せてもらったのが、エボリューションの20セルシオ用ブリスターキットだった。
しかも超稀少な未使用の新品。大胆に膨らんだブリスターラインに大きなフェンダーアーチが加わった独特のディテールは、非常に新鮮だった。

フェンダーの出幅はフロント8cm、リヤ12cm。FRP特有の歪みもなく、キレイにボディと一体化した。足まわりはカズサス。フロントはリムツラ、リアは少し被るくらいが好み

「実はそれまで、エボのブリスターの存在を知りませんでした。初めて間近で見て、『これはヤバい』とひと目惚れ。30系セルシオに加工して付けたら、絶対他と被らないと思いました」。

仮合わせしたらブリスターのラインがドアノブよりも下だったので、ブリスターの位置を上げてバランスを修正。
ライト&テールの脇も、違和感が出ないように絞り加工。フェンダーアーチは大きく作り直しているが、当時を知る人が見たら確実に「エボブリ」を思い浮かべるはず。
「ワイドだけどあまりハデに見えない、シンプルな造形が好きです」。

「手数は多いけど、街に溶け込む仕様が理想」。

ブリスターの存在感にも負けない、個性的なホイールにも注目したい。やはり他と被りたくないので、アメリカのホイールメーカー・スポルザのゼロフォージドを選ぶ。日本でもセダンに「アメ鍛」を履かせる人が増えているが、スポルザは珍しい。

国産にはない、独創性のあるデザインで注目を集めるアメ鍛。20インチの設定もあるが、車高重視で19インチを選ぶ。ブレンボも最新仕様。「赤は定番」ということから、鮮やかな黄色のキャリパーで彩る

「ブゥビィのお客サンがカムリソラーラにこのゼロを履かせていて、試しにセルシオに合わせたら今までにないような新鮮さを感じました」。

ディッシュとスポークが融合したようなデザインで、足元に強烈なインパクトを与えることに成功した。

エアロはブレーンのエグジスタンスプレミアムに、レクサスLS用の『X10』ハーフエアロをドッキング。こちらはひと足早く完成させたが、ブリスター&ホイールとのマッチングもバツグンだ。

ブレーンのレクサスLS用ハーフエアロ『X10』の造形は極力崩したくないので、エグジスタンスプレミアムのフロントバンパー側を大幅に加工。開口部を台形に作り変え、スピンドルっぽく見えるようにラインを足した

「今回の仕様は手数が多いですが、トータルで見たらシンプル。街中に違和感なく溶け込むと思います」。
さらに精力的に動こうとしている彼の活躍に期待したい。

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