タイヤのエッヂを落とし込む凹みが
ホイールの内側にあるのが「リバースリム」
クルマの足もとを飾る、あるいは走行性能の向上を図れるのがアルミホイール。
鍛造、鋳造といった製法の違いのほか、「リバースリム」という構造がある。
ディープなリムを演出するドレスアップ性の高いホイールによく使われている。「ノーマルリム」との違いや特徴をチェックしてみる。
ホイールでタイヤを組み込み保持するリムは、ディスク部とともにホイールを構成する重要な部分である。そのリムには「ノーマルリム」と「リバースリム」の2タイプがある。
ホイールを横から見たときに、タイヤを組み込むときにタイヤのエッヂを落とし込む”ドロップ”と呼ばれる凹みが表側(ディスク面)寄りにあるのがノーマルリムで、裏側寄りにあるのが今どきのホイールチョイスではトレンドになっている「リバースリム」となる。
リバースリムの大きな特徴として、先述した凹みが内側になるのでディープリムデザインが可能となる。
また、ディスク面のデザイン性を高められることも功を奏して、ノーマルリムを採用した同サイズのホイールよりも見た目に大きく感じる迫力を生み出すことができる。
写真は、「横浜ゴム」の『アドバンレーシングGT』というホイール。19〜20インチは「リバースリム」、18インチは「ノーマルリム」を採用する。その違いはスポークとリムの接合部のリムの深さ。「リバースリム」のほうが奥にありディープ感のあるデザインを可能とする。
リバースリムはキャリパー干渉に要注意!
「リバースリム」のデザイン自由度の高さはメリットではある。だが、ドロップと呼ばれる凹みがホイールの内側に出てくる位置がブレーキキャリパー付近になり、サイズによってはホイールとキャリパーが干渉してしまうことがある。
『アドバンレーシングGT』が19〜20インチは「リバースリム」で、18インチは「ノーマルリム」としているのは、ビッグブレーキキャリパーに対応するためだ。
大径な19〜20インチなら「リバースリム」でも大径ブレーキローターと大容量キャリパーの組み合わせでもホイールと干渉するケースは少ない。
だが、18インチはホイール径自体が小さいので、少しでもホイール内側のクリアランスを確保するため、ドロップの出っ張りが小さいノーマルリムに変更してビッグキャリパーに対応しようとしたわけだ。
また、ノーマルリムの方がスポークが短いため剛性面でも有利となるケースが多い。
このような理由から「リバースリム」はドレスアップ派、「ノーマルリム」は走り派に選ばれている傾向にある。また、「リバースリム」はデザインによって、ディッシュの裏側に水が溜まることがある。大雨時の走行や、冠水路を通過したあとに、水が溜まったことが原因で振動が出ることがある(ホイールバランスが崩れたのと同じ)。
ちなみに「リバースリム」はタイヤを交換するときにも「ノーマルリム」とは大きな違いがある。「ノーマルリム」の場合は表(ディスク面)側からタイヤの脱着を行うのに対し、リバースリムは裏側から行う。
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