新型モデル登場から約半年後
先代型の中古車相場が動き出す
8年振りにフルモデルチェンジしたコンパクトミニバンであるホンダ『フリード』。先月発売を開始した日産の5ナンバーサイズミニバン『セレナ』。
人気車の新型モデルが登場すると、旧モデルの中古車相場が下降傾向に動き始める。
販売ランキングの上位に入る人気車がフルモデルチェンジを行うと、その車種の中古車価格が全般的に下がる。
セレナやフリードのようなミニバン、プリウスやアクアなどのハイブリッド車、タントやワゴンRのような軽自動車で顕著に見られる傾向だが、SUVやセダンについてもフルモデルチェンジが行われると中古車の価格が変動する。
フルモデルチェンジで従来型の中古車価格が下がる理由は大きく分けて2つある。
まずはそれまで現行型として売られていた中古車が先代型になり、先代型は先々代型に下がることだ。
新型が登場したことで既存の中古車が相対的に古くなり、商品の魅力が下がって中古車価格も安くなる。
また人気車であれば新型が好調に売れて、下取りした従来型が中古車市場に大量に流通する。そうなると需要と供給のバランスが変わり、中古車の価格を下げる。
例えばエスティマは2016年6月に大幅な改良を実施して売れ行きを伸ばした。
改良後の初期受注を見ると、全体の85%が従来型からの代替えだ(改良を待っていたユーザーが多かった)。従ってエスティマの新車販売台数に近い数の中古車が生まれており、中古車価格が全般的に下がってくる。
なお、中古車価格が本格的に下がり始めるのは、フルモデルチェンジが行われて半年ほど経過した後になる。この頃になると、従来型から新型への代替えが進み、その車両が中古車市場に流通して、中古車価格に影響を及ぼし始める。
(レポート:渡辺陽一郎)
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