「甘さ控えめ」なドレスアップがお好き
女性らしさを微塵にも感じさせない創り込み
世の女性はサプライズが大好き。彼女や奥サンに驚きと感動を与えるために、密かに計画を立てたことがある男子も多いだろう。
ただトヨタ40系ソアラに乗る静香サンの場合は、「される」より「する」タイプ。
女性らしさを微塵も感じさせないドレスアップ、そしてオーディオに仕掛けられた秘密のギミックで、見た者を驚愕させる。
静香サンのお仕事はパティシエ。「ドゥーブルフロマージュ」というチーズケーキをご存じだろうか?
あの口どけの良いスイーツを生んだ、小樽の名店・ルタオで日夜ケーキ作りに励む。
そんな彼女の愛車は40系ソアラ。内・外装スキなく手を加えられたこのクルマで、たまに通勤しているというからビックリである。
静香サンに性格を自己分析してもらうと、「熱しやすく冷めにくい」。そう、今はスイーツ作りだけでなく、クルマのドレスアップにも夢中。
「自分が一度楽しいと思ったら、結構長く続けるタイプ。クルマのドレスアップも『一度やってみたい!』と言い出して始めたものの、面白くてなかなか熱が冷めないですね」。
高校生の時からクルマが好きで、映画「ワイルドスピード」に憧れてカッコ良くて速いクルマに乗りたかったという静香サン。いろいろ悩んだ結果、スポーティ感漂う2ドアクーペボディを採用し、なおかつ高級感も備えた40ソアラをセレクト。
「セダンも考えましたが、やっぱり乗っている人が多くて他と被ってしまう。ソアラは少ないし、しかもオープンという点に惹かれました」。
ノーマルでも十分目立つフォルムだが、もちろんイジらずにはいられない。ワイルドスピードの影響をモロに受けているだけに、走りを連想させるアレンジを数多く取り入れた。
「周りの人に、『お前がこのクルマに乗っているなんて、宝の持ち腐れだなぁ』と言われたいんです(笑)」。
つまりクルマとオーナーのギャップを、強く意識して製作したのだ。
女性が乗っているとは思わせたくない
サプライズで魅せるエンターテイナー
いかにも女性が乗っていそうなクルマにはしたくない。だから外装は、まずボディ色にこだわった。急に「この色にしたい」という衝動が走り、今回選んだのがイエロー。
レクサスのスーパーカー、LFAが採用した3コートパール仕様のプレミアムな色である。
稀少車だけに実車を見る機会がなく、ネットで画像を検索して様々な角度をチェック。いざ塗ってみたらイメージ通りでひと安心。
「去年から黄色の小物を買い始めて、もしかしたら黄色が好きなんだと思ったんです。だからソアラも黄色にしてみようかと。オーナーは男か女、一体どっちなのか判断しづらい色がいいと思いました。天候によって、色合いが変わるところも好きです」。
色だけでなく、フロントバンパーもリメイク。Vヴィジョンをベースに、スピンドルと鋭い造形美のデイライト枠に惚れ、Kブレイクハイパーゼロカスタムの18クラウン用を合体。顔つきに新鮮さが加わった。
「エアサスだから、着地させることも大前提。だからニコイチする時は、丈の長さにも気を使いました」。
この外観だけでも十分注目に値するが、新たな武器であるオーディオも必見。リアシートをつぶして作り、しかもスイッチを押すと隠しアンプとスピーカーが飛び出す可動式。
「トランクが狭く、リアシートのスペースも限界がある。機材をいっぱい組んでイベントでいい音を出したいから、可動式を思い付きました」。
工業用のシリンダーを組み、エアの力で素早く上下するのも特徴。
「これは私なりのサプライズで、見た人は皆ビックリします。結構サプライズするのが好きで、驚かれると『やった!』って嬉しくなります」。
「驚いた顔を見ると、『やった!』って思います」
オープンカーだからオーディオだけでなく、目が行きやすい内装も一切妥協なし。赤と白の目立つ色合いで仕上げ、純正のウッドパネルに合わせて明るいイエローも取り入れた。
「内装は色でちょっとだけ女性らしさを演出しつつ、スポーツカーのような雰囲気を出してみました」。
それを象徴するのがシートのデザイン。これはワイルドスピードに登場したクルマのシートからヒントを得たという。センターに通したイエローのラインが、引き締まったようなイメージを作る。生地はレザーとアルカンターラの2種類を使い、ベース車に相応しい高級感も追求した。
「晴れた日にこのソアラで帯広へお出かけして、美味しいソフトクリームを食べるのが私の楽しみです」。
(レポート:VIPスタイル編集部)
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