スタイリング/乗り心地/走り
いずれも妥協しないツインスプリング化
大人4人が余裕で座れる室内空間と引き換えに、サスペンションの取り付け位置などの問題で、サスペンションのセッティングが難しいといわれるスズキの現行型アルト(36型)。
車高は下げたいが乗り心地が悪いのはNG。さらに走れるサスペンションでは、このクルマを選んだ意味がない。そんなジレンマにひとつのが光が見えてきた。
仙台のプロショップ『Gプロジェクト』が提案する、リヤのツインスプリング化について解説しよう。
純正でも十分に魅力的な36型アルトだが、チューニングカー乗りとしては、車高くらいは下げたいところ。しかし、リヤの足まわりがなかなか手強く、ローダウンと乗り心地のバランスを取るのが大変だという。
そこで「Gプロジェクト」は試行錯誤を繰り返した結果、リヤに2本のスプリングを使う方法、いわゆるツインスプリングという結論を導き出した。
当然ながら市販のスプリングでは長さなどが合わず、合計7タイプもの直巻きバネを製作したという。
レートは6kg/10kg/12kg/14kg/16kgで、一部は巻き数の異なる2種類を用意。
これらに組み合わせるのはスイフト製のヘルパースプリング(1.5kg)で、路面からの突き上げを見事なまでに解消。ショックを吸収し切れず揺れるような動きも皆無で、しなやかなで高い路面追従性という表現がよく似合う。
価格は1万9800円~2万7000円となっており、ファイナルコネクションとコラボしたオリジナル車高調との相性もバツグンだ。「Gプロジェクト」ではセッティングの相談なども受けてくれるそうだ。
スプリングレートで8kgをラインナップから外したのは、走りも乗り心地も中途半端だったのが理由。
6kgはストリートやジムカーナ、10kg/12kgはストリートからサーキットのオールマイティ、14kg/16kgはサーキットがメインといったチョイスとなる。
オーナーなら「この車高じゃ乗り心地が悪くて大変でしょ?」と思うはず。
ところが実際はツインスプリングが衝撃を吸収し、橋の継ぎ目や路面のギャップも気にならないレベルだ。写真のデモカーは14kgのレートを使用する。
6kg/10kg/12kgのスプリングは先端が密着せず、初期の入力がソフトなのが特徴。
14kg/16kgは逆に密着しており、ダイレクトなハンドリングが味わえる。
ライフスタイルに合わせて選びたい。
Gプロジェクト代表の倉島さんは公式レースでも豊富な実績があり、サスペンションのセットアップについては相当なコダワリを持つ。過去には同じくサスペンションのセッティングが難しいといわれるスズキ・ツインを駆り、新規格NAのレース『東北660選手権』でも大活躍しているほどの実力派チューナーなのだ。
Gプロジェクト http://gproject-rc.com/
(レポート&撮影:佐藤 圭)
【関連記事】