レースで勝てる新規格NAモデル
セッティングの熟成で戦闘力がアップ
宮城県のスポーツランドSUGOで開催されたドレコン&サーキット走行会をミックスしたイベント「SAM」。ここで行われた模擬レースでもっとも台数が多かったKカー(軽自動車)だ。まさに最近のKカーチューニングの盛り上がりを象徴するかのようだった。
スポーツランドSUGOといえば、Kカーレースの火付け役となった東北660選手権も開催されるコース。現在はスズキ vs ダイハツといった構図だが、主力4車種ごとの特性やメリットを分析してみたい。
「SAM」のKカー模擬レースは過給器つき、そして旧規格との混走。
こういう異種格闘技戦も面白いのだが、注目したいのは東北からスタートし、全国的な大流行となっている新規格軽自動車のNAエンジンだ。
今回も東北660選手権の車両が何台もエントリー、12月に行なわれるセミ耐久レースに向け、熱心に練習するドライバーが多かった。
それでは車種ごとに解説しよう。
昔は「ホイールベースが長い」と忌避されたダイハツL275型ミラ、セッティングが進むとロングホイールベースは安定感というメリットに転化。ギヤ比がSUGOとマッチすることもあり、現行車種だけの快適性も旧世代と比べるとはるかに高く、どんどん台数が増え続けている。
ダイハツでは軽量なL700型ミラも依然として人気が高い。新規格軽自動車になって最初のモデルであり、軽量であることが最大の武器だろう。ただしシングルカムのエンジンが大半なので、ツインカムのEF-VEに載せ替えることが大前提。手間はかかるがエンジン型式が一緒なので、公認車検の必要がないのも人気の理由かもしれない。
そして当初はワンメイク状態だったスズキHA23型アルト。軽さとクイックな動きで「HA23でしか勝てない」とさえ言われていた。ダイハツ勢の躍進でだいぶアドバンテージは薄れたが、価格の安さやアフターパーツの豊富さから、若い世代にとっては手を出しやすい車種なのだろう。
また今回のSAMには出ていなかったが、ダイハツ・エッセも戦闘力は相当に高い。この4車種ならデータが豊富でセッティングに悩むことも少なく、レースでの上位を最短距離で狙えるはずだ!
今後セッティングが進めば、現行モデルのスズキ36型アルトも主力車種になりそうな予感。電子制御をどう扱うかが課題となりそう。
東北660選手権はスポーツランドSUGO、エビスサーキットを転戦するレース。SUGOでグリッドスタートを体験できるチャンスは少ないので、SAMの模擬レースには大勢のエントラントが練習を兼ねてやってくる。
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