車高が低くてもスマートに走る
「低車高走行はカッコいい。それは古今東西変わることのない永遠の美学です。でもクルマのカッコ良さって、低さだけじゃない」と語るのは、ドレスアップ専門ショップ「ジェットストローク」の佐々木裕一代表。
ドレスアップファンにとっては衝撃的な言葉だが、じつは車高短の走らせ方の心得や真の車高短の理想像が秘められていました。
「一昔前は車高短は擦って当然、マフラーを擦り減らして開いた穴は勲章だ、みたいな風潮が少なからずあったように思います。もちろん極低車高で走るのも美学の一つ。でもボクとしては、ライフスタイルの一つとして車高短を楽しんでもらいたい」と佐々木代表。
ライフスタイルの一つとは、無理せず余裕を持った運転、そして一番大切なのは自分が楽しめること。それはクルマと長く付き合っていくための秘訣でもあるということです。
車間距離を開けて、前方の路面状況などを把握できるようにすることが大切なのです。
不用意に下まわりを擦ってしまい、オイルパンを割って走行不能になることもありえます。
ゆっくり丁寧に走ることで美しい姿を保てる
低車高走行術全てに共通して言えるのは、ゆっくりと丁寧に走ること。
例えばマンホールや轍など、路面に突然現れる障害物。純正車高では何の気なしに通過できるのに対して、車高短では跨ぐ、踏む、避けるという三択を常に迫られる。だからこそ心に余裕を持った運転が求められます。
マンホールや路面の劣化で、急に陥没している箇所もあります。跨ぐのがセオリーですが、まれに陥没してる周囲が盛り上がっていることもあります。その判断をするためにこそ、余裕ある運転が大切なのです。
コインパーキングのフラップの高さは平均9cm。車高短にとってはかなり高めです。フラップを乗り越えたら出っ張っている中央部がフロアに当たって動けなくなるケースもあります。
サイドの機械部分は、さらに高く角ばっているので、こちらに当てるとダメージは大きいでしょう。
フラップレス駐車場を選ぶのも一つの手段です。最近は、この手の駐車場が増えています。しかも、設置されている場所は、治安が良好でモラルが高いと判断された地域なのです。
クルマ止めも車高短には大敵です。バンパーは当たらなくても、マフラーのタイコをぶつける可能性があります。だからといって、通路にノーズを出して止めるのはマナー違反というか迷惑です。
スロープ状の板などを敷いてリヤタイヤを載せれば、クルマ止めをクリアできます。
車高短に乗るなら、やはり備えは必要です。
そうやってストレスなく危機を回避してきたクルマは、やはり美しい姿を保っています。
誰だって傷だらけのボロボロのクルマより、新品同様の美しい車体に魅力を感じるはず。
「そういう輝きみたいなのが、クルマのカッコ良さにも繋がっているのかなってボクは思います」と佐々木代表。
佐々木代表に、街中で目立つイカツいクルマだからこそ注意してもらいたいことを話してもらいました。
「厳しい話になるけど、運転中は絶対に周りに迷惑をかけないことを心掛けましょう。
例えばスロープで接触を避けるための蛇行運転。やっている本人は仕方がないと思っていても、周囲から見たら危険運転にしか見えない。踏切での蛇行なんてもってのほかです。
車高短とって危ない(段差が大きい)道は通らないというのが一番の対策法なんです」
どのようにして危ない道を避ければよいかといえば、地元の道は熟知しておくのはもちろん、スマホでも簡単に地図を見られるので、事前のルーティングをしっかりと立てておくこととのこと。
仮に走行中にどうしても先に進めなくなってしまったら、ハザードを焚いて停車。無理に進んで事故を起こすことだけは絶対に避けるように!
亀の子など動けなくなってしまったときは、仲間やそばにいる人に助けを求めるしかありません。
ギヤをニュートラルに入れて押してもらうしかないでしょう。
「小難しい話をしたけど、交通ルールを守って安全運転していればOK。それにイカツいクルマがジェントルに走っていたら、ギャップ効果で余計にカッコいいでしょ(笑)。百聞は一見にしかず。まずはたくさん走って技術を上達させよう。上手くなればクルマは綺麗な状態を保てるし、メンテナンスに目を向ける余裕も生まれる。焦らずゆっくり、それが車高短ライフの基本です」
ジェットストローク TEL047-446-5557 http://www.jetstroke.com
(協力:VIPスタイル編集部)
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