世界を代表する高級車ベンツを
日本独自のVIPセダン文化を投影
いつの時代もメルセデス・ベンツは、高級車のグローバルスタンダードとして君臨してきた。
それは大富豪だろうが一般人だろうが、クルマ好きだろうが好きじゃなかろうが、関係のない事実。
広島県のドレスアップメーカー「エイムゲイン」は、かねてより開発を進めていたメルセデス・ベンツW222型、つまり現行のSクラス用エアロ『純VIP』を完成させた。押しも押されぬVIPセダン業界の第一人者である同社がいま、なぜ高級輸入車であるベンツを手掛けたのか。その意味と仕上がりを、開発担当の伊藤チーフが明かす。
エイムゲイン初のベンツ
その姿を今、世界に問う。
VIPセダンは日本発祥のドレスアップ文化である。より高級に、よりイカツく、国産セダンを昇華するのがその本質だ。しかし、積み重ねてきた歴史の中で常に、“意識”というカタチで存在してきたのが、高級車の世界標準であるメルセデス・ベンツだ。
「ボクが(日産の)32系に乗っていた二十歳ごろから、ベンツは憧れの存在。国産高級車をイジることはステータスでしたが、先輩方のベンツは別格でした。今もパーツ流用や雰囲気を真似するように、みなどこかでベンツに憧れを抱いているのではないでしょうか」と、エイムゲインの伊藤チーフ。
それだけにオーナーとして、エアロメーカー・エイムゲインとして、一度はベンツを扱いたかった。国産高級車をイジるVIPの本質とは違うかもしれないが、VIPとは切っても切り離せないベンツだから。
理由はもう一つある。いま、エイムゲインが見据える市場は国内だけにとどまらない。
北米やロシア、アジアなど、海外にも広く展開している。
そんなグローバルな視点で見れば見るほど、メルセデス・ベンツの存在感は際立ってくる。
海外のカスタムカーのショーでは、レクサスはなくともメルセデス・ベンツは必ず展示されるのだそうだ。「高級車=ベンツ」という図式は、日本よりも圧倒的に強く深く根付いている。
「だから海外に本気で打って出る時に、ベンツのラインナップは不可欠なんです。その中でもSクラスは、かなり強力な看板となるはずです」と伊藤チーフ。
日本のVIPシーンにおいては“意識”の中の王者として、海外では日本のVIP文化を知らしめるアイコンとして。エイムゲインはベンツSクラスを、広島から世界に問う。