現行モデルで14代目
60年超の歴史をもつクラウン
創成期から幅広い世代に支持され長い歴史を持つクルマが、その名を消滅させている。
しかし、今もずっとトレンドを牽引し、連綿とその名を途切れさせることなく続けているのがトヨタ・クラウンだ。
13系から現行モデルの210系まで、多くのモデルがVIPセダンオーナーたちに愛されている。
ここに紹介する坂井クンもまた、クラウンに惚れ込んでいる一人。これぞVIPセダンと言わんばかりの、数々のワンオフ加工で魅せる。
1955年の誕生から60年超。クラウンはトヨタを代表する高級セダンとして、いつの時代も憧れの存在だった。
VIPセダンというドレスアップジャンルとしては13系から現行型の210系まで、合わせて7世代のモデルがこの業界を盛り上げてきた。
かつてはその上を行く存在だったセルシオですら、3代目の30系を最後に生産を終了。
クラウンの偉業は、きっとこれから先も打ち破られることはないだろう。
重厚な足元と大胆アクリル加工が強み
由緒ある王冠の輝きにも負けない艶姿
後期型にチェンジした210系も常に話題に事欠かないクルマだが、ドレスアップのベースとして断トツで人気なのが18系。
デビューから10年が経っても未だ新鮮さが失われることはなく、手頃な値段で買える良質な中古車が多く出回っていることもあり、若いオーナー率が非常に高い。
現在22歳の坂井クンも、18クラウンに乗る若者の一人である。
「クラウンは昔からずっと憧れていたクルマ。高級感があり、なおかつ見た目もカッコ良い。特に18クラウンは、17系から見た目も中身も大幅に進化してさらにカッコ良くなりました。イジりやすく、VIPのベースに相応しいクルマだと思います」。
18系は大人気。すなわち、イベントでも強豪がひしめく激戦区である。
だから坂井クンも、他の18クラウンに負けたくない想いが非常に強い。以前の仕様もキャンディレッドでのオールペンやフェンダー加工など、インパクトを重視したスタイリングで注目を集めていた。
そして事故をきっかけに、今回外装のフルリメイクを敢行。この仕様を引っさげ、部門入賞止まりからの脱却を目指す。
「クラウンは、VIPに相応しいクルマだと思う」
インパクトを重視。それは前仕様から変わらぬコンセプトであるが、今回は色を抑えて各部の造形に目を向けさせるのが狙い。
キャンディレッドから一転、暗めに調合したオリジナルガンメタでボディを塗り直したことで、スパルタンなムードが強くなった。攻撃的にアレンジしたエアロにも、見事にマッチしている。
「この色は下地がキモで、秘密の処理でギラつきを強めています。周りからは、『この色の方が落ち着きがあってカッコイイ』と言われます」。
エアロはフロントバンパーを一新。ワンスターをベースに、クラブシグナスの仁科クンが設立したSADカスタムジャパンの200ハイエース用をニコイチ。
サイズ感が全く異なるエアロだが、極力造形を崩さずにクラウンの車幅に馴染ませている。ノーズを鋭く前に伸ばして、威圧感を強めたのも見て欲しいポイントだ。
「自然にニコイチできるか不安でしたが、『イケる!』と言ってくれたショップを信頼して良かったです」。
また新調したホイール、ワークのマイスターS1もお気に入り。リアは以前のホイールよりも太い、衝撃の14J。特注のインセットは、何とマイナス78。クルマを知らない人もビックリする、驚異のディープリムに注目。
「フロントバンパーをランボのようなスーパーカー風にアレンジしたので、ホイールもスーパーカーが履くような極太サイズを選びました」。
リム幅の変更に伴い、リアフェンダーも作り直してさらに2cmワイド化。ブリスターではなく、元祖風のクッキリオバフェンが彼の好み。
ボディだけでなく、光モノでも思いっきりアピールしたい。最近ではあえて加工しないオーナーも増えているが、ドレスアップカーらしくライト類で主張することも忘れない。
オーナーが信頼を寄せている「たぁ工房」で製作したライトは、今回で4作目。アクリルを多用し、LEDの粒を見せない近未来的な発光で差を付ける。ローに入っていたプロジェクターは撤去し、3Dアクリルを採用して3つのL字ラインを投入した。
「このラインはRC Fがモチーフ。テールはLS後期をイメージして作ったので、ライトにもレクサスのテイストを取り入れてみました」。
ブラックパールGS用をニコイチしたリアバンパーに収まる、86用のバックフォグも加工し直した。ここにも極太のアクリルを仕込んで、ライト&テールとコーディネイト。
「ライト類の加工も、イベントではかなり反響が良いです。クオリティの高さをぜひ見て欲しいですね」。
(レポート:VIPスタイル編集部 https://www.facebook.com/VIPSTYLE.CAR.MAGAZINE/)