意外にも短命だったスカイラインの象徴
サーフィンラインの真のデザインとは
往年の「日産スカイライン」の3大アイデンティティといえば、直列6気筒エンジン、丸目4灯テールランプ、そしてリアフェンダーのサーフィンラインだ。
このサーフィンラインは、3代目スカイライン=C10(ハコスカ)から採用されたプレスラインのこと。
1968年当時流行の先端だったサーフィンのサーフボードの反り具合をイメージさせるラインだったので、このように呼ばれるようになった。
もっともC10のスタイリングを担当したデザイナーに言わせると、魚の流線形がモチーフだったそうで、「静止しているときより走っている姿の美しさと力感」を表現するのが狙いだった……。
2ドアGT-Rはオーバーフェンダーを装着。しかし、リアフェンダーにはサーフィンラインが残されている。
サーフィンラインは5代目のジャパンで終焉
以後、4代目ケンメリ(C110型)、5代目ジャパン(C210型)にも継承されるが、6代目のR30では、きれいさっぱりなくなって、フラットなリアフェンダーになってしまった。
4代目C110型スカイライン
4代目C110型スカイライン2000GT-X。直6エンジンを搭載。このモデルから丸型4灯式テールランプが採用された。
C110型スカイラインの4気筒モデルはショートホイールベース。
オイルショックの影響でわずか197代しか生産されなかった幻のC110型スカイラインGT-R。
レース仕様にすることを前提にオーバーフェンダーを採用。ハコスカGT-R同様、リアフェンダーのサーフィンラインを分断していた。
5代目スカイラインであるC210型。通称ジャパン。写真はスポーティ仕様の2000GT-E・S。前期モデル丸型4灯式ヘッドライト。丸型4灯式テールランプのサイズが均一化。
C110型から4気筒エンジンモデルはTI(ツーリングインタナショナルの略)と6気筒のGTと差別化。ホイールベースの長さも異なっていた。しかし、全モデルにサーフィンラインを採用。
R30型スカイラインでサーフィンラインが消滅した。
ワゴンにもサーフィンラインを採用
最後のワゴンはR31型スカイライン
上記のハコスカ、ケンメリのワゴンと、ジャパンのワゴンには、サーフラインはくっきりとみられる。
ちなみにR30型はエステートとハッチバックをラインアップし、スカイライン・ワゴン(バン)はR31型で終了した。
R34型スカイラインでサーフィンライン復活
R34型スカイラインのクーペボディでは、このサーフィンラインが蘇ったとスカイラインファンには認識されている。
だが、R32型スカイラインGT-Rのブリスターフェンダーも、サーフィンラインの面影があるとかないとか言われている。
長年愛されてきたスカイラインだけに、その名称と伝統と個性は、大事にしてもらいたいところ。
普通のスポーツセダンなら、「スカイライン」でなくてもいいのでは??
(レポート:藤田竜太)
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