家族の協力なしでは語れぬ僕のVIP人生。
クルマをドレスアップするオーナーは多いが、藤野クンのように心から「VIPセダン」を愛している人はどれだけいるのだろうか。
挫折を味わったり遠回りもしたが、今回のリメイクでやっと理想のスタイルに仕上がった愛車のトヨタ15系マジェスタ。
ただここまで長く趣味を続けられるのは、強くて暖かい支えがあったからであることは忘れない。
トヨタ15系マジェスタ歴は12年。九州は年式が新しいセダンの活躍が目立っている地域だが、「年式が古い15マジェ(マジェスタ)で新しいクルマを(イベントで)倒したい」という強い意気込みを持ち、他のセダンには目もくれず一途に愛し続ける藤野クン。
彼にとって15系マジェスタは、「自分の一部」。マジェスタがいない生活なんて考えられない。今や家族の一員と言っても過言ではないほど、かけがえのない存在となっている。
「正直ここまで長く乗るとは思っていなかった。昔はイベントでも坊主(入賞なし)続きで、降りようと思ったことは何度もありました。でも諦めたらそこで終わりだし、大好きなクルマだから頑張ってみようと思いました」。
彼は15系マジェスタの前に、14系マジェスタに乗っていた。
廃車になり、トラックに積んで持って行かれる姿を見て泣きそうになった。あの時のような悲しい思いはしたくない。だからただひたすら、一台に全力を注ぐ。
しかし、いくらVIPセダンが好きとは言っても、「家族」という良き理解者がいなければ、ここまで乗り続けることはできなかったかもしれない。
妻の麻梨サンは、「この人からクルマを取ったらダメだろうね」と夫の性格を良く分かっているから、節約でサポートする。食料はスーパーでまとめ買い。電気代を抑えるために、夏でもエアコンは付けない。
「多少不満はあるかもしれないけれど、何だかんだイベントに行く時には『行ってらっしゃい』と、優しく送り出してくれるんですよね。僕のわがままに付き合ってくれて、本当にありがとうと言いたいです」。