ヨーロピアンとアメリカン
2大巨頭を築いたワゴンブーム創成期
1994年に創刊したミニバン&ワゴンのカスタム誌「WAGONIST(ワゴニスト)」。
その名物企画に、ユーザーカーの頂点を紹介する『街のワゴニスト』というコーナーが存在する。あれから20年以上。めまぐるしく移り変わるドレスアップのトレンド、その当時に支持されていたベース車について振り返ってみたいと思う。
かつてのワゴン乗りには懐かしく、他ジャンルオーナーには新鮮に映る傑作たちをご紹介。
1995年[平成7年]
ステーションワゴンが脚光を浴び始めた90年代半ば。トヨタはカルディナ、ニッサンはアベニール、ホンダはアコードワゴン、スバルはレガシィツーリングワゴンと、充実したラインアップを誇り、自然とカスタム文化も根付いた。はじめはエアロ+αと、シンプルなスポーティメイクが主流。現在ではごく一般的な手法も大きな脚光を浴びたのである。
↓LEGACY TOURING WAGON↓
エアロメーカー、「ジアーロ」のデモカー風をテーマにフルエアロ化。足元は、大人気を誇った「テクノマグネシオ」を当時の大口径”17″インチを履かせた。
↓ACCORD WAGON↓
エアロはGスクエアを中心に他車種用サイドステップを流用したヨーロピアンメイク。ちなみに初代アコードワゴンは北米生産の逆輸入車。Bピラーに貼られた”HONDA OF AMERICA”のエンブレムが誇らしかった。
↓CALDINA↓
フロントリップと輸出仕様のエンブレムでヨーロピアンに。流行した4灯ヘッドライトやエアロミラーが懐かしさを感じさせるポイント。
↓LEGACY TOURING WAGON↓
ビレッド風のフロントグリルにボイドのホイール、スーパートラップのマフラーという人気の組み合わせ。さらにファントムトップでキメた典型的なアメリカンスタイルである。
1996年[平成8年]
ヨーロピアン・スタイルがさらに進化した1996年。もともとは、ヨーロッパ車のドレスアップカーをお手本にしたが、小ワザを用いてよりそのコンセプトを深めていく。既製品だけの世界には留まらず、他車種流用や自作パーツなど、現代に通じる手法が登場。チューナーのエンブレムなどの輸入アイテムは、重要なアイコンとなった。
↓ACCORD WAGON↓
樹脂板と金網で自作したフロントグリル。リアのガーニッシュもアクリル板で自作するなど、フロントはアルファロメオ、リアはBMWを意識した。
↓CALDINA↓
VWのチューナーであるABTをモチーフにして仕上げた1台。カルディナで大人気だった4灯ヘッドライト化が、そのイメージを底上げる
↓LEGACY TOURING WAGON↓
トミーカイラのバンパースポイラーを核にヨーロピアンGTを意識。4灯風のヘッドライトは自作、リアのフォグはミツビシRVR用を流用した。
↓AVENIR↓
ニッサン・プリメーラ カミノの純正バンパーを加工して移植。BMW風のフロントグリルはFRPで自作製作。当時流行した可変ウイングも見ドコロのひとつ。
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