超弩級の低車高×滑らかなブリスター
今の時代だからカタチにできた怒濤の重厚感
まずこの仕様の要である、車高に注目したい。Y32型シーマは低車高にこだわるオーナーが多く、今はあえてエアロを組まずに極限まで低さを追い求める「純ベタ」スタイルも人気。
Kクン自身も、低さにおいては一番を狙いたかった。
そこでこの仕様を作る前にそれまで組んでいたエアロを脱ぎ、1年ほど純ベタ仕様で乗っていた。
「まずは純正バンパーの状態で落とせるだけ落として、走りながら腹下などを徹底的に加工していきました」。
前後のメンバーは短縮、エンジンやデフなど上げられるものはすべて上げた。オイルパンは15mm短縮し、フレーム自体も一度切って再製作。これで不安要素はほぼ解消できた。
「純ベタで頑張っている方の気持ちが、良く分かった1年でしたね」。 セッションのフロントは5~6cm詰め、Y32型シーマ用KブレイクVラグの開口部を天地逆にして移植。
フォグはトヨタ・アルテッツァ ジータ用の純正。「木村サン(青森県)の15系マジェスタの影響です」。ライトはクリスタル加工。さらに他車種のマルチリフレクター&シェードを移植した。
もうひとつのウリであるフェンダー加工を決意したのは、本国のOZ製MAEホイールを手に入れたことが大きい。この太いサイズは本当に稀少で、もちろんリバレル(リム組み替え)なし。
キャップはミレニアム限定モデルに入れ替え。見えにくいが、ブレーキはブレンボを奢る。
「ディッシュは今の旬ではないですが、MAEは他にはない独特の雰囲気がある。このホイールの良さを知っている年上の方にはかなり好評です」。
ホイールの魅力を最大限に引き出すならツライチ。ただこの低さ故にアーチをかなり上げないとならず、クッキリとしたオバフェンだといびつな形状になってしまう。だからナチュラルなブリスターを選択。スマートな雰囲気を出すためにドアノブ下のプレスラインを消し、代わりに鉄板のワンオフドアパネルでバランスを補整。かつて流行ったアイテムに目を付け、説得力のあるワイド&ローを作る。
ニゾローのワンオフ車高調、Tディメンドのフルアームで前後共にリムでツライチ。フロントのキャンバーは「見え方がキレイだった」13度に決め、リヤはバランスを考えて15度にセット。ブリスターの美しさを優先して、給油口のフタはスムージングした。