世界では希少なミニバンをベースに
クールなカスタム観を世界へと発信
ミニバンはカスタムベースとして、世界的にはまだまだマイナーだ。
本場・北米でも販売車種は少なく、ことさらアフターパーツも数少ない。
しかし、優れた使い勝手や広大な室内スペース、そして世界で希少なミニバンカスタムに惚れ込むユニット集団がある。
『VANKulture(ヴァンカルチャー)』。
VIPや暴走族スタイルといったジャパニーズカスタムの流れを汲み、”Paul Cotaco”氏によって2012年に発足。以来、独自のスタイルへと進化を遂げてきた。
最大の見せ場は、超ロワードした足元。日本とは異なる車種ベースやカスタムの方向性に迫った。
US TOYOTA SIENNA
『VANKulture』の発起人である”Paul Cotaco”氏の愛車はトヨタ・シエナ。
トヨタが北米で製造販売するミニバンは、マッドレッドにフルラッピング。
エアサスのよるロワードとブレーキキットで、クールな肢体を描く。
エアサスは、日本でもおなじみの「ACC」、ホイールは「ヴォッセン」という人気コンビ。
エアロパーツは、エクステンション系でさらりとスポーティな印象に。
スライドドアを開けると目に飛び込んでくる、正真正銘のベンチシート。
まさに北米的なセンスと遊び心がニクイ。
US HONDA ODYSSEY
テキサス洲にある「CVTデザイン」が手掛けたホンダ・オデッセイは、日本とはボディサイズなどが異なる北米仕様車。
フェラーリレッドのオールペン、ラゲッジオーディオ、真打ちの超ローダウンでキメた。
オデッセイは北米でも希少な存在。国内仕様よりもカッコいいと感じるのは筆者だけではないはず。
外向きオーディオとエアサスのタンクが鎮座するラゲッジ。
ホイールは「アヴァンガード F140」の22インチをフェンダー深くに呑み込ませた。
エアサスやマフラーは、「CVTデザイン」によるもの。
US HONDA ODYSSEY
「ACC」エアランナーでロワードした足元に、「コンセプトワン」のCSM-5をインストール。
手数は極めて少ないが、USオデッセイをベースにクリーンなスタイリングを構築した。
『VAN Kulture』は、ソーシャルメディアやカーショーを通じて成長。いまや北米だけでなく、世界的なムーブメントとして注目を集めている。
そして日本でも、そのカルチャーに魅了されたフリークが存在しているのだ。
USの最先端を2台のUSシエナが
スマートに実践した
ミニバンでベタベタに落として、エアロは控えめに。そして家族を犠牲にしない乗り心地と実用性。
躍進する『VANKulture』は、日本でも密かにブレイクしつつある。
ここでは、ジャパニーズ×ヴァンカルチャーの2台をご紹介。
国内では超希少なUSミニバン、トヨタ・シエナを日本流に調律した。
レクソンのフロントリップのみという、極めてシンプルなシエナ。
「ACC」のエアサスに「ヴォッセ」とのコンビは、定番パターンだが、ステッカーでアクセントを加えるという手法に。コストをかけずに全体とのバランスを図った。
レクソンのフロントリップで、ほのかに疾走感をプラス。
エアサスのタンクは車底に、コンプレッサーや配管は室内のデッドスペースにセットした。
ファミリーユースを意識した、実用性を犠牲にしないインストールを実践。
エアロは、USブランド「シティクルーザー」のフロントリップとリアウイング。このシエナには、J’sブランドのホイールを組み合わせてJDMな薫りを漂わせた。
『ボルクレーシングTE37 ウルトラ』を前後10.5Jというワイドリムも驚きである。
ステアリングは純正をベースにカーボン+アルカンターラへ張り替え。
エンジンルームは、ホイールと同系のブルーを注し色として投入した。
足元を中心としたメイクで、ミニバンをさらりとスマートに乗る。
国内では派手さを追求する傾向だが、『VANKulture』のようなシンプル×クールなスタイルもアリかもしれない。
今後もそんな彼らに注目したい。
【関連記事】