かつて走り屋入門車だった「ハチロク」が
希少な旧車(=ヒストリックカー)に仲間入り
販売終了してから、ちょうど30年目を迎えるトヨタAE86型カローラ・レビン&スプリンター・トレノ。
レビン&トレノは、この後のAE92型からFF化されてしまい、AE86は”最後のFRレビン&トレノ”としても特別な存在で、現在でも「ハチロク」の愛称でその人気は衰えることがない。
そんな「ハチロク」は、二十数年前ならば20万〜30万円くらいで買えた走り屋入門車だったが、いまや立派な旧車(ネオヒストリックカー)の仲間入り。
程度のいい「ハチロク」を欲しいと思ったら、200万〜300万円コースの出費を覚悟しなくちゃいけない。
専門店に聞けば、「かつてのハチロクを知っている人は、『高い!』って感じるでしょう。しかし、現存するハチロクは、ボディのサビの修復や燃料系、水回りなど、ありとあらゆる部位に手を加えなきゃ安心して乗れません」とか。
ベースの車両は安くても、お客さんに渡すまでの手間を考えると、この価格帯になってしまうのも頷ける。
そもそも「ハチロク」人気が再燃したきっかけが、1995年に連載が開始された走り屋のマンガ「頭文字D」だ。主人公の藤原拓海が操る「ハチロク」の影響で、3ドアハッチのトレノ(とくにパンダトレノと呼ばれるブラックとホワイトの2トーンカラー)が市場で高騰。
それまで”レビン>トレノ”だった人気の図式が、逆転したほどだ。
そして、この数年で10代のハチロクファンも増加。初めて所有するクルマが「ハチロク」なんてケースや、親子でハチロク乗りなんてのも結構見かける。
前述の専門店によれば
「新しいハチロクファンは、かつて走り屋の間に溢れていた頃を知らないために先入観がない。だから新車よりも遥かに高い中古ハチロクにも抵抗がない」という。
また、かつてのハチロク乗りの場合は子供にも乗ってほしいと、親子でAE86を探しにくるお客さんもいるそうだ。
『ストリートヒーローシリーズ AE86』は、AE86の昔と現在をリンクしながら1冊まるごと「ハチロク」を特集。読み応えたっぷりで、ハチロクファンなら必読ですよ!
ストリートヒーローシリーズ AE86 ¥1,200
交通タイムス社
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