ミドルクラス以上がターゲット
圧巻のパワフルなボディワーク
ドイツやスイスのチューナーたちは今、SUVにご執心の様子。スイスで行われた今年のジュネーブモーターショーでは、彼らのブースにはメルセデス・ベンツGLEクーペやテスラ・タイプX、ジャガーFタイプなどをベースにした、魅力的なコンプリートカーがずらりと並んだ。
欧州チューナーたちの熱い視線は、SUVというカテゴリーに注がれている。
しかもミドルクラス以上のSUVがメインのターゲットだ。パワフルなボディワーク、とくにオーバーフェンダーを追加したワイドボディ化が多くのモデルに施されている。既存のモデルとは違うユーザーが購入しているようで、新たな顧客の開拓を狙っているというわけだ。
HAMANN GLE 63 S Coupe
「ハーマン」らしい、ボリューム感のあるフェンダーワークと、エッジを効かせたエアロデザインが特徴的。ハイライトであるオーバーフェンダーはノーマルから9cmもワイド化されており、ただでさえ大柄なメルセデス・ベンツGLEクーペをさらに巨大化。インパクトは絶大だ。
ビルトインされたマフラーやV字ピラーでマウントされたリヤスポイラーなど、巧みなデザインワークが光る。ホイールはユニークフォージドの11×23インチを装着する。
FAB DESIGN VIRIUM (TESLA Model X)
ハイエンドなスーパースポーツをメインに手掛けるスイスのチューナー「FABデザイン」。最新作は話題のEV(電気自動車)-SUV、テスラ・モデルXのエアロモディファイ。ワイドボディでどっしりとしたスタイリングが特徴だ。
EVゆえに空力性能はもちろん重要なファクター。リヤアンダーはバーティカルフィンを備えたディフューザーをセット。足元には鍛造ホイール(11J×23インチ)に、タイヤは315/25という超ファットサイズを組み合わせているので電費は……。
HAMANN F-Pace
BMWやメルセデスに向けたプログラムが多かった「ハーマン」だが、初となるジャガーにトライ。その処女作として選ばれたのが『F-Pace』だ。ドイツでも人気の車両で、他のブランドからの乗り換えが多いという状況から、ラインアップに加わったようだ。
奇を衒わないスタイリッシュなエアロデザインが好印象。オーバーフェンダーに収まるホイールはアニヴァーサリーEVOの11×23インチ。
HAMANN X4 M40i
BMWのMパフォーマンス向けのプログラムゆえに、X4に装着されるエアロパーツは純正バンパーに追加する小振りなものが用意されている。カナード状のリップやエアインテークガイドなど、ディテールアップでイメージ付けをする作戦だ。
ディフューザーとエキゾーストのブラックテールがマッチングしたリヤ。リヤウイングがクーペスタイルに似合っている。ホイールはユニークフォージドの11×21インチ、タイヤは305/25-21をセットする。
MANSORY BENTAYGA
ベントレー初のSUV『ベンタイガ』も、「マンソリー」の手に掛かればご覧の通り。迫力満点のボディワークはもちろんだが、そのパーツ自体の表面処理に目が奪われる。コラージュカーボンと呼ばれる特殊なカーボンはすべて自社のオートクレーブで製作されている。
マットグレーのボディと各部の石目調処理がスペシャルモデルであることを物語る。他とは違うクルマを求めるセレブリティたちには、これくらいのインパクトがないとウケないのだ。
TOPCAR GLE 63 S Coupe
ロシアンチューナーとして頭角を現した「トップカー」。グロス感極まるカーボンパーツをこれでもかと使用することによって、AMGを遙かに越える存在感を獲得しているメルセデス・ベンツGLE 63 Sクーペ。ロシアならではの「過剰さ」が売りだ。
ハーフマットなボディに、織りの強いカーボンパーツがこれでもかと装着されている。ちなみに911をフルカーボンにするボディキットもリリースするなど、カーボンの扱いには相当な自信を持っているのだ。
(レポート:af imp.編集部)
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