メーカーだからできる謹製チューニング
今後続々と高性能ロードカーが誕生する!
「日産自動車(以下日産)」は4月25日、同社の高性能スポーツブランドである『NISMO(ニスモ)ロードカー』事業を拡大することを発表した。
この戦略の基板となる『NISMOロードカー』の車種ラインアップ拡充を支えるために、同ロードカーの企画・開発に関わる機能を日産グループの特殊車両を手掛ける「オーテックジャパン」内に設立した。これにより、今後リリースされる「NISMO」のバッジを纏ったロードカーはどう変わるのか?
「日産」は、ワクワク感と革新性をさらに高める高性能スポーツ・サブ・ブランドとして、2013年にNISMOブランドの日産商品ラインアップ適用を開始した。
「NISMO」とは、日産直系のモータースポーツ部門である「ニッサン・モータースポーツ・インターナショナル」の略で、1984年の創立以来、国内外のモータースポーツシーンで活躍している会社である。
日産ワークスの血が流れる
NISMOロードカーの事業が拡大
今回、神奈川県横浜市鶴見区のNISMO本社において、「オーテックジャパン」と「NISMO」の社長兼最高経営責任者を務める片桐隆夫氏自らその概要を以下のように発表した。
「オーテックジャパン」と「NISMO」の社長兼最高経営責任者に加え、「日産自動車」のニスモ・ビジネス・オフィス代表も兼任する片桐隆夫氏。
学生時代にはラリーなどにも参戦し、現在もパルサーGTi-Rを所有する根っからの走り好きでもある。
「これまでNISMOロードカーはグローバル市場で1万5000台を販売してきました。今後は従来の日本/北米/欧州/中近東に加え、さらに市場を広げてグローバル展開をしていくとともに、各地域における販売車種ラインアップも拡充します。年間販売台数は、2020年代初頭にはグローバルで10万台規模を目指します」とスピーチ。
現段階ではまだ新規車種のアナウンスはないが、片桐社長によると「現状の7車種を倍にするのが目標」とのこと。これまではコンパクトカーや本格的なスポーツカーがそのベースとなっていたが、将来的にはSUVやミニバンにも拡充していく予定だという。
最近ではノート e-POEWRなどでも「NISMO」の人気が高く、同車の約9%をNISMOバージョンが占めているという。
車種ラインアップのみならず、ライトな仕様からよりハードな仕様まで、ユーザーの指向や好みでチョイスできるようになるということだ。
供給が中止されていた名車のパーツを再生産
さらに、今回の発表で注目されるのが「NISMO」が新たな顧客サービスとして「ヘリテージ・パーツ・プログラム」に着手するというニュースである。
これは、80年代、90年代に人気を博し、現在も多くのオーナーに大事にされている日産の名車たちに、これからも安心して長く乗れるようにするための取り組み。
すでに製造廃止になっている日産純正の補修部品をNISMOが独自に再生産し、供給する体制を立ち上げるというものである。
手前の3台はNISMO直営のショップ部門「大森ファクトリー」が手掛けたR32型/R33型/R34型のスカイラインGT-R。すべて同店のデモカーで、一度ホワイトボディまで完全に分解した上で再製作されている。こういったトライアルが今後のヘリテージ・パーツ・プログラムにも生かされていくことだろう。
今年の秋を目処に販売をスタートするというこのプログラム。
具体的な部品などはまだ発表されていないが、まずは第一弾としてR32型のスカイラインGT-Rからスタートし、その後ほかの車種にも順次拡大していく予定だという。
スーパーGTなどのレース活動はもとより、ロードカー事業およびヘリテージ・パーツ・プログラムなど、今後もしばらくはNISMOの動向から目が離せそうにない!
大森ファクトリーのほか、NISMO本社内にはGTマシンなどを整備するファクトリーも併設。
写真手前はFIA GT3仕様のR35型GT-R。現在、来シーズン(2018年)に向けて「Nissan GT-R NISMO GT3 エボルーションモデル」を開発中。エンジンをドライサンプ化するなど、大幅なポテンシャルアップを目論んでいるという
日産自動車 お客さま相談室 TEL0120-315-232 9:00〜17:00(年末年始を除く)
(レポート:GT-R Magazine編集部・野田航也 写真:日産自動車/CARトップ編集部・原田貴俊)
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