サイトアイコン AUTO MESSE WEB(オートメッセウェブ)

スマートフォンの音楽を車内で快適に聴く5つのポイント

カーオーディオとの接続方法は多彩
現在の主流は無線のBluetooth

iPhoneなどのスマートフォンの中の音楽を車内で聴くユーザーが増えている。
その接続方法には、いろいろな方法があり、クルマのオーディオ環境によっても大きく異なってくる。
そこで、手軽なFMトランスミッターからBluetooth(ブルートゥース)、ケーブル接続まで、音質や接続の容易さなどをチェックしてみよう。

GWといえば、長い休みを利用した旅行やドライブなど、クルマで移動する人は多いだろう。
そんなときに欠かせないのが「音楽」。通勤などではスマートフォン(携帯音楽プレイヤー)にヘッドホンを接続して、記録されている音楽を聴いているのだろうが、それを車内でも聴きたいというユーザーは多いはず。
しかし、クルマのオーディオによって接続方法はまちまち。じつは接続の仕方で音質などがまったく異なっているのは知っているだろうか?

1:カーオーディオ側がスマホなどのポータブル音源と
接続する端子や機能を持っていない

車両の純正オーディオもしくはナビゲーションなどにブルートゥース機能やAUX(予備)端子がない場合。FMトランスミッターを用いて接続するのがお手軽だ。FMトランスミッターとは、昔流行ったポータブルCDプレイヤーやMDプレーヤーと同様に、トランスミッターを接続して、音楽をFM電波として発信。クルマのFMチューナー(ラジオ)で受信して聴くことができる。
FMトランスミッターは、各社からたくさん発売されていて比較的安く購入できる。性能はひと昔と比べれば格段と向上した。

写真の『Meo Sound FMトランスミッター・ワイドバンド』は3種類の接続方法から選択可能。

  • スマホとブルートゥースで接続して、FM電波を車両のラジオに送信
  • 本体のAUX INとスマホをケーブルで接続。FM電波でラジオに送信
  • 本体とナビの外部入力端子を接続することで、FMは介さず直接送信

電源はシガーソケットから取得して、USB充電のポートがひとつ付いている。
なお本機はA2DP(Advanced Audio Distribution Profile)というブルートゥースの中でハイクオリティオーディオのためのプロファイルのひとつを内蔵している。

2:Bluetooth機能付きカーオーディオは
スマホとのペアリング設定が必要

純正オーディオ本体、搭載のナビなどにブルートゥース機能を内蔵している場合。スグに使うことができるが、最初に必ずペアリング設定を行うことを忘れないでほしい。設定は本体画面からブルートゥースのマークを押し、Bluetooth設定>ペアリングモードをONにする。
すると機器間を検索し登録される。初期設定はちょっと難しいので慎重に実行しよう。電波が届きにくい場合は再度トライしてみる。

3:カーオーディオのAUX端子へ専用ケーブルで接続
音源からの出力にもこだわると音質アップ

純正オーディオ本体もしくは搭載ナビなど、AUX(予備)入力端子があるなら専用ケーブルを用意する。iPhoneやiPodなどのApple製品なら現行ではライトニング(Lightning)コネクタケーブル、旧モデルならドッグ(Dock)コネクタケーブルと接続できる。イヤホンジャックとの接続に比べて、音質劣化は少ない。

iSimple Jam Link car IS7505

iSimple社は各社のメディアプレーヤー『iPhone』、『Android』のスマートフォンユーザーに強い味方。Jam Link car IS7505はライトニング用でアナログRCAピンからカーオーディオと接続する。

ここで注目してほしいのは、音源となるiPhoneやiPodなどのポータブルオーディオへの電源供給だ。
iPhoneなどの場合、ライトニングケーブル(Dock)の端子(コネクター)に一般的な専用ケーブルを接続すると、音楽データの送信はできるが電源は供給されない。つまり、音楽を聴いているうちにポータブルオーディオが電欠してしまうわけだ。
ところが、なかにはAUXの端子とUSB(電源用)の二又になっているモノもある。USBにシガープラグを接続すれば、シガーソケットから電源を獲ることもできるわけだ。これなら電欠になる心配はない。

接続方法による音質レベルを5段階評価

近年は純正カーオーディオにもUSB入力端子を備え、USBメモリ(音楽データ)やスマートフォンなどのポータブルプレイヤーの接続が可能となっている。さらにブルートゥース接続も標準化となりつつある。

そこで、最後にちょっと踏み込んで接続方法による音質の傾向をチェックしてみよう。

 

音質【レベル3】
リーズナブルで使えるプラン

⚫︎スマートフォン>ブルートゥースFMトランスミッター>オーディオ(市販オーディオの方が高音質)

ブルートゥース機能付きFMトランスミッターに接続。ひと昔のよりサウンドは向上、ノイズは極めて低くなった。

音質【レベル3.5】
Bluetooth機能付きオーディオに接続

スマートフォン>ブルートゥース>オーディオ(市販オーディオの方が高音質)

 

ブルートゥース機能を使った定番の接続。FMトランスミッターと比べ、クリアな音調でナチュラル。

音質【レベル4】
スマートフォンのイヤフォン端子から出力して接続

スマートフォン>イヤフォン3.5mmジャック出力>オーディオ

無線通信(Bluetooth)と比べ、ライン接続とでは情報量が一段と向上。
しかし、イヤフォン端子からの出力なのでサウンドに歪み感ある。

音質【レベル4.5】
スマホのライトニング/Dock端子からアナログ出力

スマートフォン>インターフェイス出力>オーディオ

基準を超えた良さがある。記録された音楽データの劣化が少ない。スマホなどに内蔵するコンバーターでデジタル音楽データをアナログ化するので、上級者にとってはリアル感が乏しいと感じる。

 

音質【レベル5】
スマホのライトニング/Dock端子からデジタル出力

スマートフォン>インターフェイス接続によるデジタル出力>オーディオ

スマートフォンからの信号をデジタル出しとすることで、DAコンバーターにピュアな信号を送り込むことができる。広帯域再生、ダイナミックレンジは最上級の領域。端正な音で説得力が感じられる。

音楽データのファイル形式でも音質は変わる

MP3、WAV、FLACなど音楽データのファイル形式によってデータ容量は個々異なる。
高音質を望むならファイル形式を選び方が重要だ。
使いやすいMP3は元データより遥かに小さい。それに対してほぼ非圧縮データのWAVは高音質だが、カーオーディオによっては対応していないので、再生できないケースもある。
USBメモリ、SDメモリ、スマートフォンなど個体差による音調の違いもあるが、このへんは難しく考えず…まずはベーシックなところから始めて上級へとシフトアップしてほしい。

音質を求めるならケーブル接続

ブルートゥースのメリットは、なんといってもワイヤレスという使い易さだ。
スマートフォンをポケットに入れたままでも、データ転送>再生ができる。
デメリットは何だろう?
通信という方式なのでケーブル使いの接続と比べれば、音質は間違いなく一歩後退する。
しかしブルートゥース搭載のiPhone、Androidなどのスマートフォンを持つユーザーが増えた今、この機能を使わない手はないだろう。

(レポート:永松厳)

【関連記事】

モバイルバージョンを終了