クルマによってペダルの位置や向きが異なる
さて、再び『SR-7F』を基本に、次なるステップとして車種によるシートのフィッティングについて考察してみよう。
「クルマのペダル位置や向きは、シート選びで重要なポイントです。極端な例をあげれば、ハイエースのように足を踏み降ろすようペダル配置のクルマには、座面が長くて厚いとヒザ裏が圧迫されてしまいます。逆に着座位置の低いスポーツカーや輸入車のセダンは、足を前に伸ばすようなポジションなので、座面が長く足を下からサポートするシートが良いでしょう。乗降性も重要なポイントです。例えば、フロアよりステップの位置が低いミニバンは、座面のサイドが盛り上がっていると乗り降りするときシートをまたぐようになってしまいます。プリウスもミニバンに近いポジションになっているので注意が必要です」と牧原代表。
上の写真はスポーツシートシリーズの『Sportster(左)』と『Cross Sportster(右)』の座面の違いを表したカット。座面前端部の肉厚やサイドの張り出しは、右の『Cross Sportster』のほうが控えめだ。
愛車と同じ車種のレカロシートの装着例から、どのようなタイプのシートを装着されているか参考にするのも良いだろう。
シートは長い距離を走るドライバーに合わせる
クルマの使用用途もシート選びのポイントとなるそうだ。例えば、通勤使うかレジャーで使うか。通勤の場合、乗降回数が多いので座面のサイドサポートは低めのF座面を採用する『SR-7F』または『LX-7F』が良いそうだ。
レジャーユースが多いクルマは、走行距離に対して乗り降りする回数が少ないので、乗降性より疲労軽減を重視してサポート性の高いシートということで『SR-7』系がオススメとのこと。
家族で1台のクルマを使用している場合、誰に合わせてシートを選ぶか悩むことだろう。
「奥さんが日々のお買い物などで使っていて、休日のドライブではご主人が運転するご家庭では、ご主人に合わせたシート選びをオススメします」と牧原代表は言う。
クルマの使用頻度は奥さんの方が多いかもしれないが、休日のドライブのように長い走行距離を運転するご主人の方が疲労を感じやすい環境にあるからだ。
なぜ、クルマを使用する頻度の高い奥さんではなく、ご主人なのか? お買い物の移動は、運転する距離も時間も短いので、仮にシートがピッタリ合っていなくても疲れを感じることが少ないからだ。
このようにシートを選ぶとき、異なるユーザーの環境に合わせることが、いかに重要なことがご理解いただけただろうか? 今回取材した「トライアル」では、これまでの膨大な取り付け実績がデータベースとなっているので、電話などの問い合わせでもある程度までシートを絞り込むことができる(写真の女性スタッフが親切丁寧にアドバイスしてくれる)。
しかし、いくら最適なレカロシートが見つかっても、100点満点のシートポジションは完成しないそうだ。それは、ドライバーに合わせたシートレールのチューニングが必要とのこと。
この件については、近々に報告する予定だ。
なお、5月14日に大阪市舞洲で開催される「af imp.スーパーカーニバル」に「トライアル」がブースを出展する。レカロシートに関するアドバイスはもちろん、現地で販売も行うそうだ。
腰痛やドライブの疲れを感じている人は、ぜひ訪れてほしい。ちなみに入場は無料だ。
レカロシートのことならトライアル TEL072-369-3539 http://www.trial.co.jp/
(撮影:芝 修)
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