34スカイラインやセルシオなど
まだまだ現役なクルマが旧車増税
5月になると送られてくる自動車税。自動車税とは「自動車の所有者等に対して課税される財産税の一種」とのこと。
日本の自動車税(自家用乗用車)は、諸外国に比べかなり高い税額が設定されている。さらに現在では、新車登録から13年経過したクルマの自動車税は、概ね15%も重課される仕組みになっている。
「環境負荷が大きいから税金を高くする」という理由なのだが、13年経過車と言っても、まだまだ現役で人気の高いクルマも多い。長く乗り続けるのもエコではないだろうか?
自動車勢の対象となるクルマは、道路運送車両法の適用をうける自動車のうち普通自動車と三輪以上の小型自動車で、毎年4月1日時点での自動車の車検証上の所有者に対して、自動的に課税される。
乗用車は、排気量が1.0リットル超から0.5リットル刻みで6.0リットルまで10段階の税額が設定されている。納期限は5月末日。
その年額は、総排気量1リットル以下で2万9500円、6リットル超だと11万1000円になる(基本税額はコチラを参照)。
排気量 | 税額 | ||
1リットル以下 | 29,500円 | ||
1リットル超~1.5リットル以下 | 34,500円 | ||
1.5リットル超~2リットル以下 | 39,500円 | ||
2リットル超~2.5リットル以下 | 45,000円 | ||
2.5リットル超~3リットル以下 | 51,000円 | ||
3リットル超~3.5リットル以下 | 58,000円 | ||
3.5リットル超~4リットル以下 | 66,500円 | ||
4リットル超~4.5リットル以下 | 76,500円 | ||
4.5リットル超~6リットル以下 | 88,000円 | ||
6リットル超 | 111,000円 |
諸外国に比べかなり高い税額が設定いる日本の自動車税には、新規登録から13年経過したクルマは概ね15%も重課される仕組みになっている(ガソリン車・LPG車は13年超・ディーゼル車は11年超)。税負担が重くしている理由は、新車登録後一定期間経過した環境負荷が大きいとされるため。
今年の自動車税でこの増税の対象となるのは、初度登録年月日がガソリンとLPG車では平成16年3月以前のクルマ、ディーゼル車は平成18年3月以前のクルマとなる。
具体的には、日産スカラインはR34型以前はすべて、V35も前期型は増税対象。
セルシオは初代(UCF1)、2代目(UCF2#)は全車、3代目は前期型(2000年8月 ~2003年8月)が増税される。アルファードも初代モデル(10系)の2年間のモデルはすでに増税。
レガシィは、3代目(BE/BH系)まで増税世代に突入。
こう見ると、まだまだ現役で走れるクルマばかり! なのに、なぜ重い税が課せられるかというと、例のエコカー減税の代償……と言われている。
ここで注意してほしいのが、平成18年までは年度内に譲渡などで名義変更をすると支払い済み自動車税が還付されていたが、現在は廃車にして登録を抹消しない限り税金は戻ってこない。
さらにナンバーを返納して登録を抹消(廃車扱い)にしたクルマを再びナンバーを取得しても新車登録にはならない。つまり、再登録後も13年経過などの履歴は消えないのだ。
エコカー減税は新車から1年限定
13年経過車の自動車税の増税は永遠
古いクルマは環境に悪いから重い税。その代わり新しいエコカーは減税。これでバランスが取れるようにも思えるが、エコカー減税は、新車登録の翌年度分について優遇措置が適用されるだけ。
つまりたった1年だけのハナシ。しかも、そのハードルは高くなる傾向になっている。同じ車種でもグレードよって異なる燃費基準適合車となっている。これは後々の自動車税で差が出る原因だ。
それに対し13年以上超過したクルマは乗りつづける限り、ずっと増税!!!
減税は控えめ、増税は大盛り。どう考えたって、お上だけがオイシイ話。
自動車メーカーも、このエコカー減税を「新車の需要喚起」に最大限利用してきたので文句を言わない(そのツケで、カタログ値の燃費競争で苦しい思いをしているともいえる)。
今あるものを大事に使うのも本当のエコ。この古いクルマに重い税負担をかける、いわゆる「自動車税のグリーン化特例」は、即刻改定してもらいたいところ(※自動車税だけでなく、エコカー減税対象車以外のクルマの場合、自動車重量税も初度登録年月から13年経過、18年経過の二段階で、更に重課される)。
なお自動車税は、年度の途中で新規登録した場合「登録をした月の翌月から3月までの月割り分」で計算され、登録時に支払うことになっている。
したがって3月31日までに新規登録すると、まるまる1年分の支払うことになる。しかし、4月1日に新車登録すると、5月から翌年3月までの11ヵ月分と約1ヵ月分の自動車税を節約できる。
年度末の決算値引きは3月31日までに納車が必須だから、どちらが得かはトータルで考える必要がある。
(レポート:藤田竜太)