懐かしのテイストであえて新鮮に
格安インポートへ投じたセオリーからの脱却
「エスカン(エスアンドカンパニー)」といえば、高い独創性とセンスで数々の高級インポートカーを手掛けてきたプロショップだ。
最近では、大阪オートメッセ2017で披露した”ブガッティ・ヴェイロン“が有名。ベース車でも約2億円するというのに、世界1台の限定車へブルー×ホワイトのラッピング、ワンオフのアメ鍛ホイールなど、そのクレイジーな発想は世界中を驚かせた。
そして、5月14日(日)に大阪・舞洲で開催した「af imp.スーパーカーニバル」のエスカン・ブースに展示されていたのは、前述のヴェイロンともう1台はVW ジェッタ…。常に高級セレブカーを追いかけてきた異端児が、1世代前の大衆車を披露するとは、なんとも異例である。
しかし、このジェッタ。他にはない格別なオーラを漂せていた。
ベースは、2008年式のVWジェッタ 2.0TSI。
聞けば車体価格50万円で手に入るうえに、タマ数も豊富というCセグメントに位置するコンパクトセダンだが、カスタムベースとしては”ゴルフ”に比べると人気は低い。
セレブカーの印象しかないエスカンが、あえてのお手軽マイナー車を手掛けた理由は「セオリーからの脱却」であった。
見た目の印象をさりげなく変えているのが、ワイドフェンダーの存在。
オーバーフェンダー主体のボディキット「パンデム」や「ロケットバニー」を手掛ける”TRA京都”でワンオフしたもので、あえてナチュラルなブリスター形状に。
ビス留めによる後付け感ではなく、ナチュラルに見せたかったという。
フロントは、「アルピール」のゴルフ5用RSバンパーをワイドフェンダー化にあわせて加工装着。
ボトムにはアンダーフラップを添えて、ほのかな疾走感を薫らせた。
足元造りにも定評あるエスカンにとって、ホイール選びも重要なポイント。ジェッタには、「スーパープラス」というレアな独ブランドをチョイスし、ココにも脱定番化を図った。
ローダウンは、インポート界でも増えてきた”空足(エアサス)”ではなく、あえての”生足(車高調)”とZ.S.Sのアームで勝負したのもニクイ。
センターのダブル出しテールエンドは、懐かしの「マルカツ・スーパートラップ」を加工したもの。
これも差別化を図るポイントのひとつになったという。
「これまでのような”キレイに魅せる”ではなく、ヤンチャなオトナの遊びをテーマとしました。イメージは、フロントがホンダ・シビック タイプR、リヤはシビック・フェリオと、かつて元気だった国産の走り屋マシンたち。よって、ボディカラーもホンダ純正のチャンピオンシップホワイトにしたんです。今後は、アウディS4のエンジンに載せ替えて中身もマジな仕様にしていきますよ!」とは、エスカン代表の鹿田氏。
ワンオフのフェンダーは別として、ベース車込みでも格安に楽しめるエスカンの提案。
数億円のヴェイロンにも勝るとも劣らない、高い注目を集めていた。
エスカン TEL06-6992-0003 http://www.s-company.jp/
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