発表前の量産試作車をテストコースで試乗!
取材は3月下旬。新型スーパーグレートの発売前だったが試乗することができた。様々な新機能を試せたテストコースでの走りは、これまでより快適で高い安全性を感じさせるものだ。
栃木県さくら市にある「三菱ふそう」の木連川研究所のテストコースで、まだ発表前の新型スーパーグレートに試乗した。開発テストに使った車輌のため、キャブには偽装のラッピングが施されているし、内装も市販版より素っ気ない。
まずは登坂路で坂道での使い勝手をチェックする。上り坂ではヒルホールドとクリープの作動を体感。
上り坂の途中で軽くブレーキをかけて止まり、そのままブレーキペダルを離すとクリープでわずかに進み続ける。強くブレーキを踏むとヒルホールドが作動して、その場で停止状態をキープ。アクセルペダルを踏むだけで坂道発進ができるようになる。
クリープとヒルホールドの使い分けはブレーキペダルの踏み込み具合だけなので、ブレーキ操作が微妙だが、慣れたトラッカーなら難なくこなすだろう。
前走車に追従するクルーズコントロール
続いてアクティブサイドガードアシストと、前走車に追従していくプロキシミティコントロールアシストを体感した。これは伴走車との連携が必要なため、説明員が運転して助手席で試乗。ゴー・ストップを伴う渋滞でも自動的に追従してくれそうだ。
シフトショックは少なめ
12段を使い切る自動変速
お次はいよいよ高速周回路での試乗だ。発進し、加速しながら自動的にシフトアップしていく。
シフトはショックの低減をさせるためゆっくりと繋がる感じ。
今回からAMT(自動変速式MT)のみの設定としたことで、7.7リットルの超軽量ダウンサイジングエンジンの搭載が可能になったそうだ。従来モデルは12速MTを実現していたが、負荷が大きい状況ではシフト操作が忙しすぎて実用的ではなかったらしい。
25tのウエイトを積んでも余裕に走り90km/hでクルージング。
シートベルトがシートと一体になっているから、エアサスシートが揺すられても快適。高速周回路ならではのバンクへと突入していく新型『スーパーグレード』。試乗車は開発車輌なので、スピードリミッターは作動せず120km/hでの走行も可能だった。
同乗してくれた説明員の話によれば、入社以来実験部で働いているが、入社当時はこのテストコースの路面も非常に滑らかでキレイだったそうだ。
しかし、現在は長年の使用でツギハギだらけ、路面の凹凸もかなり感じる。その分、エアサスシートの快適ぶりをシッカリと体感できることになったそうだ。
試乗していて気付いたのが、目覚ましい静粛性の向上だ。前述のように助手席の乗員と普通に会話ができるのだ。
排気ブレーキにシフトダウン制御も組み合わされたのもAMTならでは。最強の4段目を選べば、かなり強力なエンジンブレーキが体感できた。10.7リットルエンジンは「ガリュリュリュー」と重厚感あるエンジン音が特徴で、加速も一際頼もしい。
また乗降性が大幅に改善していることは身をもってありがたく感じた。というのも、取材時はカメラや手帳などの荷物を持って乗降するためほとんど片手が塞がっていたのだが、難なく乗り降りできたのだ。
自動ブレーキのアクティブ・ブレーキアシストのデモ風景。ミリ波レーダーだけでクルマや歩行者を検知してブレーキを作動させる。
(レポート:トラック魂編集部)