錆を元から絶つのではなく
転換剤で黒錆化して進行を抑制
そもそも錆とは、空気中の酸素と触れて酸化すること。クルマのボディなどに発生するのは赤錆で、腐食して空気に触れる面積が増えると一気に錆びてしまうのだ。
しかし、錆転換剤という液体を錆びた部分に付けると化学変化で赤錆が黒錆へと変化する。
もちろん、ある程度の錆落とし処理は必要となるが、黒錆化することで鉄の表面に膜を形成して酸素と触れにくくなるわけだ。
もちろん、鉄板の奥底に潜んでいる赤錆を完全除去できるわけではないが、少なくともその進行は抑制できる。もし、錆を完全除去するには、鉄板そのものを交換するしかない。例えばリヤフェンダーなら、Cピラーの表の鉄板を切断してフェンダー交換となる。それだけでも何十万円も必要だ。
走行46万kmのGT-Rは、フロア全体に錆が発生していたので、目立つ部分のみベルトサンダーなどを使って除去。その状態で錆転換剤を噴霧して、さらに塩害ガードでコーティングを施した。
田中オートサービスでは、このフロアコーティングを約10万円で行うという(車種によって工賃は異なる)。もちろん、パワートレインが搭載された状態でも施工可能。今回はパワートレインが着いていない状態だったため、より奥まで(ミッションの上など)施工することができた。
シャーシブラックやタール系のコーティングでも良いかもしれないが、クリア系なら錆が再発したときに目視で確認できるのが最大のメリットだ。
純正パーツの製造中止されて
錆びても劣化しても交換できない
ちなみに目に見えない部分のR32型スカイラインGT-R劣化としてリヤウイングのステーもある。
じつは、このステーは製廃されているため、どこかに在庫がなければ純正品は購入できない。
写真は緑整備センターのオリジナル。ステンレス製で錆びにくくなっている(純正はスチール製)。
また、ハーネス類も劣化して電装系トラブルを元となる。
こちらも純正パーツが製造中止となっている。そのようなユーザーのために緑整備センターでは、オリジナルのR32スカイラインGT-R用のハーネスもリリースしている。
今後は、このような社外製パーツを上手に使っていくこともネオクラシックになりつつある第二世代スカイラインGT-R(R32〜R34型)を維持しているポイントだろう。
ただ、ニスモがこのような製廃パーツを再販すると発表しているので、今後はこのようなパーツ問題は改善されていくことだろう。
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