レクサスLSメイキングの常識を覆す
力強さとしなやかさを両立させたブリスター
関西のクルマが会場を埋め尽くす2月に開催された「大阪オートメッセ」(インテックス大阪)で、ひと際注目を集めていたのが遠く離れた茨城県から参戦したレクサスLS。
「関東からすごいLSが来るぞ!」という噂がSNSを通じて広まり、このクルマ目当てに会場へ足を運ぶ人も多かった。チーム代表の意地をかけ、気合いを入れて作り込んだ最新仕様だ。
茨城県のドレスアップしたVIPセダンチーム「ワンスタイルCC」の代表を務める豊島クン。チームの「頭」として、どこに出しても恥ずかしくないクルマを作らなければならないというプレッシャーを感じながら、LSを少しずつ進化させてきた。
「他のセダンチームもそうですけど、代表のクルマってかなりイジッていますよね。だから僕も代表を名乗るからには、『人一倍ドレスアップしなければ』という思いが強いんです」。
ベースに高級なLSを選び、エアロやダクトの加工、ラバー塗料でのオールペンなど、他にはない個性を出すためにあらゆるワザに挑戦してきた。以前は地元ではLSをイジッている人が少なかったので、十分目立っていた。しかしLSは旬の人気車になり、ここ数年でライバルが一気に急増。勝つために、そしてチームの代表に相応しいクルマであるために、豊島クンは仕様変更を決意した。
まず外装をフル後期化。同時にエアロも新調した。とりあえずはこの仕様でイベントに行くつもりだったが、「全国を見ると、ガッツリとイジッたLSがすごく多い。ただ後期仕様にしただけでは勝てないと思いました」。
フェンダーの邪魔になるドアモール、リアのドアノブはキレイにスムージング。色はオリジナルキャンディレッド。目立ち度を重視して明るめに仕上げたのがポイント。ただ本人としては物足りず、もう一度塗り直したいとか。エアロはツヤありの黒で塗り分ける。
そこでイベントデビューを一度白紙に戻し、ブリスターとエアロ加工に挑戦。
LSでフェンダーを作る場合、少々丸みのあるボディに合わせて滑らかなアーチを作るケースが多い。
「今回はアヴェンタドールのような、デザイン性の高いブリスターにしたかった。丸みを付けるとボテッとするので、あえてエッジを効かせました」。
角を立てつつ、スーパーカー風の流麗なラインも形成。
フロントのエンド部とリヤの先端を鋭く伸ばし、躍動感を演出した。
ただ一番見て欲しいのは、2段階に広がるリヤのブリスターライン。この段差により、視覚的にボディをさらにワイドに見せることに成功している。
板金屋サンに「作りやすいから発泡ウレタンにしようよ(泣)」と言われたが、妥協できずに鉄板で製作。後部の2連ダクトも手間をかけて立体感を追求。のっぺりしないように薄いミミも付け足した。
「ここは板金屋サンを困らせましたが(笑)、普通のブリスターなら誰でもできる。イベントで勝ちたかったので、頑張って作ってもらいました」。
ちなみにこのブリスターには「デザイナー」が存在し、絵心のある知り合いに完成イメージのイラストを描いてもらい、その絵を元に製作した。
「その人は、クルマのことはあまり詳しくないんです。だから独創的なデザインを作れたのだろうと思います」。
このフェンダーに合わせて、エアロも2段階に張り出す造形を各部にプラス。統一感は文句なし。
リヤバンパーは「エイムゲイン」と『クール30プリウス』用のニコイチ。
マフラーカッターも「クール」のプリウス用を購入したが、LSにはちょっと小さすぎたので日産R35型GT-Rの出口を流用。パンチングを巻いたセンスブランドのタイコが圧巻。