チューニング技術の進化によって
0〜400mを9秒台が一般化してきた
6月11日、兵庫県のセントラルサーキットでチューニングショップグループ「ClubRH9」が主催する「ClubRH9ゼロヨン&サーキット走行会inセントラル」が開催された。
このイベントに参加したのは約100台。そのうち約40台がゼロヨンで、サーキット走行会は60台。それぞれクラス分けがされている。
ここで注目したいのがゼロヨン。ドラッグレース絶頂期と比べ約1秒もレベルアップしていたのだ。
「ClubRH9ゼロヨン&サーキット走行会inセントラル」を主催するチューニングショップ・グループ「ClubRH9」とは、ゼロヨン絶頂期の1990年代にゼロヨンで9秒台を記録するマシンを制作できるチューナーだけのグループとして作られた。当時の9秒台はものすごくハードルが高く、「ClubRH9」に加盟できるのは一握りの敏腕チューナーだったとも言える。現在は、そのような決まりはないが、参加ショップが認める技術力を持ったチューナーでなければ加盟できない。
さまざまなチューニングショップはあるが、ClubRH9に加盟しているというのは信頼できる技術力を持っている証なのだ。
そんなゼロヨンを発症とする同グループが主催するこのイベントだけに、ゼロヨン走行会が組み入れられるのは実に自然なことと言えるかもしれない。
ところが、近年はゼロヨン(ドラッグレース)イベントはめっきり減ってしまっている。その理由のひとつに、日本で唯一のドラッグレース専用コース「仙台ハイランド(宮城県)」が閉鎖されたことが大きい。
今回開催されたセントラルサーキットは、常設ではないがドラッグコースを持っている西日本のサーキットだ。
「ClubRH9ゼロヨン&サーキット走行会inセントラル」のゼロヨン走行会に参加した38台は、4WDクラス、2.5リットル以上のエンジンを搭載する2WD、2.5リットル以下のエンジン搭載の2WDの3クラスに分けられて計測が行われた。
1990年代のクルマが今だに活躍!
R35型GT-Rを押さえトップ3を獲得
4WDクラスは、すべて日産GT-R。現行モデルのR35型GT-Rが主流と思われるかもしれないが、じつは3分の2が第2世代GT-Rと呼ばれるR32〜R34型のスカイラインGT-R。しかも、4WDのトップ3はこの第2世代GT-Rと、未だに現役マシンとしての実力を誇っている。
1990年代のドラッグレースで、10秒台を切るタイムは本当に一部のハードチューニングをしたマシンだけだった。
ところが、現在のトップクラスは、トラクション性能に長けている4WDクラス(参加するのはR32〜R34型スカイラインGT-RとR35型GT-Rのみ)で8秒台、FR(後輪駆動の2WD)で9秒台とのこと。
ハッキリ言って参加するマシンは、前述のGT-Rまたはトヨタ・スープラ(80系)、日産180SXやS15シルビアと2000年前後に生産されたクルマがほとんど。
つまり、1990年代当時とマシンそのものは大きな変化はないのに、タイムのレベルは1秒もアップしているわけだ。
たかが1秒と思われるかもしれないが、わずか400mで1秒を短縮するのはものすごいこと。これは、チューニングパーツの進化もあるが、チューナーの技術力のアップしていることが大きい。
ちなみにこのゼロヨンに参加するマシンは、ほぼ100%RH9グループのショップで製作されたものだ。
また、参加するユーザーは長年ゼロヨンを楽しんできたベテラン揃い。そんな背景もあってレベルが高まっているのだろう。
ゼロヨンを体験したことがない人は、「ドラッグレースはただアクセルを踏んでいればいいでしょ」と思うだろうが、実はタイヤをいかにスリップさせずにスタートさせ、素早くシフトアップといったコンマ01秒の小さな積み重ねが好タイムとなって記録されるのだ。
とはいえ、アクセルを思いっきり全開にしてタイムを競い合う痛快さは、サーキット走行とはまたひと味異なる楽しさと醍醐味がある。ぜひ参加してみてほしいものだ。
「ClubRH9ゼロヨン&サーキット走行会inセントラル」のサーキット走行は、熟練度に合わせてA〜Cの3つのクラスに分けられているので、初心者でも楽しめるし、エキスパートは同じレベルの人たちとハイレベルな走行を満喫できるわけだ。 なお、走行終了後は上位タイムの表彰と豪華景品が当たるじゃんけん大会が行われた。
RH9が主催する走行会の情報はホームページに掲載されている。
敏腕チューニングショップ・グループRH9 http://www.club-rh9.com
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